日本百名山を登って | 2010/04/13 usagi |
深田久弥の「日本百名山」という本を読んだこともなかった私が、どうして百名山完登を目指すようになったのかというと、百名山の7割以上は間違いなく日本を代表する山々であること、百名山に選ばれた山はどこもよく整備され、登山に関する情報も多いので、山の経験が少ない私でも登りやすかったことが、まず理由としてあげられる。 |
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また、2006年6月に「日本百名山地図帳〜山と渓谷社」という本を購入したことも大きな理由のひとつだったと思う。その頃私は、日本百名山にどの山が選定されているか、全部は知らなかった。 一覧になった本を改めて眺めてみて、自分がそれまでに登った山を数えてみたら27山ほどあり、 「けっこう登ったね。あと73山か。みんな登ってみようかなぁ。」などと思ったのが、本当の始まりだったかも知れない。 (でも、それは大きな間違いで、その後私は深く反省することになる。普通は70山くらい登ってから、完登を目指すものらしい・・・ ) |
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「日本百名山地図帳」を買ってからは、ひとつ山を登るたびに、一覧表に印をつけていくのが楽しみになった。この本には100山全部の地図や登山ルートが載っていて、次に登る山の計画が立てやすく、とても便利で頼りになった。 そうこうしているうちに、ひとりで出かけて簡単に登れるような山は、すぐに登り尽くしてしまい、残りは行った事もない、遠くの山ばかりになってしまった。 それでも何とか作戦を立て、どんな風に私が百名山を登っていったか、地域別に思い出してみた。 | |||||||||||||||||||||
【北海道9山】 北海道は4回行った(延べ20日間)。難関の大雪山〜トムラウシ山縦走、幌尻岳が登れたのは、会の強力なメンバーを得たところが大きいと思う。また、天候にも恵まれ、どの山もすべて計画通り登ることができた。 1回目:利尻岳(礼文島) 2回目:大雪山〜トムラウシ山縦走 3回目:斜里岳、羅臼岳 4回目:羊蹄山・幌尻岳・十勝岳・雌阿寒岳 |
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大雪山〜トムラウシ縦走 |
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【東北14山】 東北は毎年家族旅行で行くので、2005年より夫と一緒に少しずつ登って行った。 夫は日帰り登山限定なので、山中泊が必要な飯豊山と朝日岳は会のメンバーと登った。 朝日岳は、夫が登山口まで送迎してくれたのでミニ縦走することができた。 |
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飯豊山 |
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【上信越・日光20山】 百名山にはこの山域の山がやたら多く、愛知県からは遠いし、なじみの薄い山ばかりでとても苦労した。那須岳、雨飾山はいずれも雨敗退で、2回目に成功。 単独で行ったのは四阿山・燧ヶ岳の2山のみ。あとは、多くの人たちの協力の下、やっとで登れた山々だった。一度の山行で1〜2山くらいしか登れず、何度もこの山域まで高速道路で通ったので、運転がずいぶん得意になった。 |
平ヶ岳 |
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100座目となった雨飾山 |
皇海山 |
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【北アルプス・中信高原20山】 白馬・五竜岳・鹿島槍ヶ岳・立山は会の合宿。乗鞍岳・美ヶ原・霧ケ峰は夫と。 薬師岳・水晶岳・鷲羽岳・黒部五郎岳・槍ヶ岳・焼岳。御嶽山は単独。 奥穂・常念岳・蓼科山・赤岳は友人と登った。 剱岳と笠ヶ岳は、なぜか何度計画しても流れて出発もできず、2009年秋、やっと登れた時はとてもうれしかった。 |
乗鞍岳 |
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剱岳 |
笠ヶ岳 |
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【関東10山】 富士山は1回目冬山に挑戦したが、高山病になって9合目半で敗退。2回目は夏に須走口から登り、ようやく山頂を踏むことができた。 雲取山と両神山を組み合わせて登ったのは作戦ミス。地図上では近く見えるが道がなく、ずいぶん遠回りをした。 天城山、筑波山は家族旅行で夫と登った。 丹沢山は会のメンバーと、冬に登ることができてよかった。 |
富士山 |
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丹沢山 |
雲取山 |
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【南アルプス・中央アルプス13山】 南アルプスは、百名山を目指す前に北岳・仙丈岳・甲斐駒ケ岳を登っていたが、なんとなく「遠くて大変そう」という先入観があり、あまり行きたくない山域だった。でも、2009年に白根三山・荒川三山・塩見岳・聖岳と集中して歩いて、ようやくその魅力がわかった気がする。 塩見岳・仙丈岳は単独。木曽駒ケ岳・恵那山は2回ずつ登った。光岳は3回目にして、ようやくピークを踏むことができた。 |
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荒川三山縦走 |
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【近畿・中国・四国8山】 白山・大山・剣山・石鎚山は家族旅行に出かけた時に、大台ケ原はクライミングで訪れた時ついでに、大峰山は会の新人と一緒に登った。 荒島岳は単独。 伊吹山は、山を始める前はドライブウェイで何度も登ったことがあったが、会に入ってからは四季折々、自分の足で何度も登り、その魅力を再認識した。 |
石鎚山 |
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伊吹山 |
大山 |
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【九州6山】 九州へは5回行った。 1回目:開聞岳 まだ本格的に山を始める前、鹿児島を旅行した時に夫と一緒に。 2回目:阿蘇山(雪で敗退) 3回目:宮之浦岳は会のメンバーと縦走。天候に恵まれ、楽しい山行だった。 4回目:九重山・阿蘇山 5回目:祖母山・霧島山 高速道路1000円の恩恵で車で九州まで。会のメンバーも同行。 |
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霧島山縦走 |
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日本百名山を全部登ろうと決心してから足かけ4年。 100座まで、あと残りわずかとなったある日、深田久弥終焉の地、茅ヶ岳を登った。 深田久弥が倒れ、帰らぬ人となった場所には小さな石碑が立ち、花が手向けてあった。そこは、あともう少しで山頂という急な尾根の上。手を合わせ、私も無事に百名山を完登できますようにと祈った。 |
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茅ヶ岳 | |||||||||||||||||||||
「百の頂きに 百の喜びあり」 茅ヶ岳の麓、「深田久弥記念公園」に建つ石碑に刻まれた、深田久弥の言葉。 どの山にも、それぞれに魅力があり、登る喜びがある・・・ 「日本百名山」については、いろいろ言う人もいるし、実際に登ってみて、「なんでこの山が〜???」と思うようなところも正直あったが、もし百名山に選定されていなければ、おそらく一生行くことのない山に登る機会を、深田久弥が与えてくれたんだと、私は思っている。 茅ヶ岳を登った後、程なくして私は日本百名山すべてを登り終えることができた。 共に30山を登り、私の百名山完登を応援してくれた夫、一緒に登ってくれた友人たち、そして、「百の頂き 百の喜び」を教えてくれた深田久弥に、心から感謝したいと思う。 |
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わたしの百名山完登データ ◆ 最初に登った山 伊吹山 (ずっと昔、ドライブで) 歩いて登ったのは2005年12月25日 ◆ 最後に登った山 雨飾山 2009年10月18日 ◆ あつた労山入会以前に登った山 11山 (伊吹山、乗鞍岳、白山、開聞岳、恵那山、甲斐駒ヶ岳、槍ヶ岳、瑞牆山、燧ヶ岳、水晶岳、鷲羽岳) ◆ 一人で登った山 16山 ◆ 同行回数ベスト3 水野さん(38回)、夫(30回)、 矢澤さん(29回) |
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◆ いつから百名山完登を目指したか 2006年6月「日本百名山地図帳」購入後 (その時点で残り73山。今年中に登ると決意した2009年9〜10月は、週2回南アルプスに行くとか、毎週新潟に行くとか・・・楽しいけれど、修行のようだった) ◆ もう一度登りたい山 飯豊山、南アルプスの山々 ◆ たぶん2度と行かない山 皇海山 ◆ なかなか登れなかった山 剣山(雨敗退3回。4回目にやっと登れた時も雨) ◆ 危なかった山 鳥海山(下山時、ひどい雨に降られ「遭難」の二文字が浮かんだ) ◆ オススメの山ベスト1 大雪山〜トムラウシ山縦走 ◆ かかった費用???
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