■行ってきました

沢谷峠〜郡界尾根〜清水ノ頭 (雨乞岳) T.Yamada
HSさんが沢谷峠から郡界尾根を雨乞岳・清水ノ頭に行くと言うので一緒させていただいた。10月9日快晴の登山日和だ。

1. 茨谷登山口
武平峠を越えスカイラインが最初にUターンするところに2台ほど駐車出来るスペースがありそこに茨谷が流れている。雨乞岳へと書いてある。沢谷峠に登るので25000図で見る限りこの谷を詰めるのだ。左岸沿いに登るがはっきりした踏跡は見当たらない。右岸に移り水の流れていない小沢を登ろうと思ったがこれは目的の峠には出ない。二股を左に取る。
2. 茨谷左俣の詰め
短い谷で右岸沿いに登って行き滝を越え水が無くなって谷に入ると間もなく左が明るくなった。25000図で見た郡界尾根の峠近くであった。
3. 一ぷく峠
郡界尾根の明瞭な踏跡を行くとすぐ木に「一ぷく峠」「スカイライン近道20分」と書いてあった。南に向かう尾根に踏跡があり帰りはここを下ることにして雨乞岳に向かう。
4. 三人山の標札
一ぷく峠の次のピークから左に下った鞍部にはS49測量図で破線路が記されていたので踏跡でも有るかと探したが見当たらなかった。967を越えあくまでも尾根上の良く踏まれた道を行くが1014ピーク(三人山)の手前で右の小沢に沿うようになる。HSさんが左ピークに三人山の標札があると言うのでそちらに登った。三人山から緩やかに下ったところは尾根が右に伸びている。これは支尾根だ。小沢の登りついたところから真っ直ぐ下降しているのが主尾根なのだ。目の前に東雨乞岳から七人山への稜線が見えている。
5. 東雨乞岳の南端(1190mあたり)
背の低いササが現れこれが葉の大きな背の高いササに変わると樹木から開放され視界が開けた。振り返るときらきら光るササ越しに御在所山が大きく見え鎌ヶ岳南尾根の起伏もよくわかる。
6. ササに埋まった南雨乞岳への道(HSさんの顔だけが出ている)
ササの中を緩やかに東雨乞岳に登ると白い御嶽山とその左遠くに小さくだが真っ白に輝いた北アルプスまで見えていた。一旦下り稲ガ谷の分岐右にはササが動物に食われたようになっていたがこれはほんの一部でその周りは背が低いが元気なササであった。雨乞岳の登りにかかると登山道はササで全く見えない。ここのササは以前よりも勢いがあるようだ。葉は大きく稈もしっかりして背も高い。南雨乞岳に向かう時には背丈を超えるササに埋まり掻き分けて行くところも出てきた。
7. 南雨乞岳で雨乞岳をバックにして
南雨乞岳に登ると単独者がいたのでシャッターをお願いした。ここからは南の展望がよい。台高山脈もはっきり見えているが台高の山に登った経験が少なく広域の地図も持ち合わせていないので山座同定できないのが残念であった。
8. 清水ノ頭の全貌・右手奥に綿向山
南雨乞岳から樹林に入り下って1095に立つと清水ノ頭は近い。単独者が低いササ原の中の道をこちらに向かって歩いている。
9. リンドウの花
登山道の脇にリンドウの花が咲いている。どうしたことか道の横にはあるがササの中やススキの中には見られない。
10. ススキと膝ほどの背丈のササの道を行く
どこでも歩けるが登山道を展望を楽しみながらルンルン気分で登っていく。
11. 清水ノ頭にて(バックは右南雨乞岳・左雨乞岳)
清水ノ頭はどこが山頂なのかわからない。小さくなだらかなピークが2つあり東の方の木に「展望の山歩き紀行」と標札が掛かっている。地形図の1014はこちらなのだろう。
12. 帰路967からの下りで見た鎌ヶ岳
一ぷく峠までは登りと同じ道を下る。一ぷく峠からスカイラインまでは急下降であるが踏跡があり最後は茨谷の車を駐車したところに出た。往きは沢谷峠の出るため谷沿いに登ったが駐車位置からすぐ沢を渡ればこの道に出たのだ。上り口に雨乞岳と書いてあったのは下った道のことを指していたらしい。

概念図はこちら

今回の郡界尾根は危険個所がなく人に会うことのない静かな山行ができ良いルートであった。HSさんに感謝したい。

★ 雨乞岳のササについて
山頂周辺のササは2種類あるいは3種類あるように思われる。一つは背丈が150〜200cmあり葉身が25〜30cm葉幅が6cmほどの大きなササで3本ほど枝分かれしているもの・今一つは背丈が低く50cm以下で葉身が10cm葉幅2cmほどありいずれも葉が艶々して活力がある。特に大きいササは以前より旺盛で登山道を塞いでいる。小さいササもイブネ・クラシの大きなササが枯れて稈が折れ小さくなって上の節間が詰まり枝が密集しているものとは全く異なっていた。また一部でシカが葉を食べたような稈のササも見られたが別の種かもしれない。
いずれにしても雨乞岳のササは現在の鈴鹿山系では見られない勢いがある。枯れの進行とは逆に繁殖が旺盛であるように感じた。
(2006.10.9)