■行ってきました

比叡山越え 2009.1.11  N.Matsuoka

1月の連休に青春18切符を使い、比叡山を越えて修学院離宮までの道を歩いて来た。

6時過ぎに家を出て、千種〜金山〜米原〜山科と電車を乗り継ぎ、比叡山の大津側登山口となる「比叡山坂本駅」に着いたのが10時ちょっと過ぎ。
身支度を整え、案内所に寄ってパンフレットをもらってから歩き始める。
1週前に同じ道を歩いているYさんにあれこれ情報を頂いていたのに、この階段をまっすぐ登ったらいいというのがわからず、ちょっとウロウロする・・・
この先で出会った年配の女性に、
「延暦寺へはこの道でいいんですよね。」
と挨拶がてら声をかけたら、
「アンタ、こんな道歩いても比叡山には行かれしません。すぐ引き返して、ケーブルカーに乗りなはれ。」
と真顔で言われたのにはちょっと笑えた。
もう一人の女性は、「行けはするけど、この先雪もあるし、大変な道ですよ。」と心配してくださった。

「雪の装備はちゃんとあるんで、たぶん大丈夫です。」と答え、この道で間違いないねと、それからはどんどん歩いて行ったら、少しずつ雪道になった。
でも、雪はほんの数センチで歩くのに支障はない。
分岐には道案内もあり、安心して歩くことができる。
坂が急になって来ると、そろそろ延暦寺境内も近い。
境内に入り、コンクリートの舗装道になってからの方が、かえって滑りやすくて怖かった。雪は掃いてきれいにしてあるんだけど、ところどころ凍ってて・・・
比叡山坂本駅を出てから、延暦寺境内まで約2時間の道のりだった。
延暦寺会館を通りすぎ、右手の長い階段を上がったところにある文殊楼。受験生に人気があるらしい。
この中に上がって拝観することもできる。
天気は晴天なんだけど、時々吹く風が木々や屋根に積もった雪を吹き飛ばし、一瞬吹雪のようになる。

国宝の根本中堂。中へは靴を脱がないと上がれないので、外から拝ませていただいた。

重要文化財の戒壇院
延暦寺までは迷うことのない道だけれど、せっかくなので大比叡の山頂も踏んでおきたい。
1週前の山行では、その山頂がなかなかわかりづらかったという話を聞いていた。
地図上では、この分岐を左に曲がり、阿弥陀堂方面から電波塔を目指していくのが最短コースだけれど、わかりやすいガーデンミュージアムの駐車場から山頂を目指すコースを取り、右に曲がってしばらく林道を歩いた。

林道の先にも案内があり、左手の山道を上がっていく。このあたりが一番雪が深かった。それでも15センチくらいかな。さくさく踏む、この冬初めての雪が気持ちよかった

ほどなくガーデンミュージアムのゲートについた。
この前の広い駐車場の東側に少し小高くなったところがあり、地図ではそこが山頂らしい。

この坂を上がって、カーブした辺りをV字のように曲がり、その先左手、わずかにこんもりした林の中に大比叡の一等三角点がある。

山頂の先に電波塔。阿弥陀堂から登ってきたら、反対方向から歩いて来て、コンクリートの右手が山頂。

13:34大比叡の山頂到着。
標高848.3m。
小さな標識と三角点があるだけで、眺望はなし。
それでも、ひとりでここまで来られたことがうれしかった。
時間的に無理だったら坂本の駅に引き返すか、比叡山頂バス停から京都駅行きのバスに乗ろうと思っていたけれど、けっこう早く山頂まで行くことができたので、きらら坂を下って修学院離宮まで降りることにした。
今はやっていないスキー場越しに見た京都方面の景色。

よく踏まれた登山道を歩いて行ったら、きらら坂の標識があった。何ヶ所か分岐点があったけれど、たいていは標識がある。ないところは地図で確かめながら歩いた。

下るにつれ、だんだん道の雪はなくなっていった。
下り始めて1時間ほどで、修学院離宮の鉄条網の柵のところに出た。「立入禁止」の立て札がけっこうものものしい・・・ 右手に修学院離宮の柵をたどりながら、この先は両側から谷のように細くなった、岩がごつごつした道を下って行く。
15:10、京都側の登山口にある雲母橋に到着。比叡山坂本駅からここまで5時間の行程だった。 音羽川にかかる橋から振り返って見た比叡山。
あの山を大津側からずっと歩いて越えてきたと思ったら、なんだかけっこう満足。

音羽川沿いにしばらく歩くと、程なく白川通りに出る。「修学院道」から市バスに乗り、1時間余りかかって京都駅へ。ここまでで私の一人旅もおしまい。★比叡山越えMAPはこちら
このあとは、大阪の友人と合流し、その日は友人宅に泊めて頂き、翌日は明石や六甲で観光。「西宮駅」から、またJRの快速を乗りついで名古屋まで帰ったのだった。