■行ってきました

70歳の山歩き・日蔭尾根 T.Yamada
今年MOさんとTYは70歳の大台に乗った。8月はじめに2人で北穂・奥穂・前穂に行く計画であったが残雪が多いため8月下旬に延期することになった。トレーニングとして今回は計画書を雨天の場合は日蔭尾根として2枚提出した。高速から見た山々は黒い雲の中にあり全く見えていない。山麓には低い白い雲がたなびいている。ロクロ谷道は次回に回し日蔭尾根のピストンにした。

1. スカイライン三口谷道登山口
雨模様の天候にもかかわらずスカイラインの各駐車場にはすでに多数の車が止まっていた。ここも三口谷から登る10人以上のパーティーが準備中であった。雨は止んでいたので下だけ雨具を着けてと思っていると突然大粒の雨が落ちてきて上も羽織ってスタートすることになった。
2. キレット状を越えて
堰堤を越えるとダム湖へ3本の谷が入っている。東多古知谷と三滝川本流には渡るために立派な石が並べられていた。本流と三口谷の間の尾根を急登する。踏跡が薄いところも有るが以前よりしっかりしている。岩の積み重なっているところを登り3mほどの小さなキレットを越えると見晴らしは抜群だ。御在所ロープウエーがガスの中に消えていくのが見えている。雨は上がったが台風並みの風が吹いて体が浮き上がりそうだ。
3. 岩稜からスカイラインを見下ろす
北側がスッパリ切れ落ちていてここは御在所山の中道よりスリルがあるとMOさんは言って写真を撮っている。ここまでの尾根上にはイワカガミが密生していて花期はすばらしいのではないかとMOさんの評価は極めて高い。一般登山道以外はあまり人が入らないので自然がそのまま観察できると言うことだろう。
4. ガスに包まれたシロヤシオの広場
花崗岩が崩壊し細かく砕かれ砂地となり多少の傾斜はあるものの開けて広場状になった所が数ヶ所ある。これらはいずれも切れ落ちた沢の上部で強く風雨・風雪の当たるところにある。ここはシロヤシオの広場と言えるような周りにシロヤシオが多く広場にも風に耐えたシロヤシオが2本生えている。
5. 樹木の観察をするMOさん
自然観察会に定期的に参加していて樹木にも詳しくなられたMOさんは木の葉を調べこれはミズナラだと言っている。山を歩いてもゆっくりと自然を観察することが少ないのは山岳会としては当然のことかもしれない。時間の余裕があったとしても通過地点としてやり過ごしてしまう事が多い。折角自然の中に入るのだ。急いで登ることもない。体もそのようにならないのなら自然観察の仕方でも学ぼう。
6. 縦走路に出る
広い緩やかな尾根に変わりブナの混ざる樹林は背の低いササの道となる。縦走路に出る所の急斜面は背丈を超えるササに覆われこの中を突進するはずであった。しかしこれが直線的に切り開かれている。薮漕ぎの必要がなくなっていて少々拍子抜けの感がある。ここのササは新芽が伸びていたものが有ったにもかかわらず十分観察しなかったことを残念に思っている。次回の課題としておこう。
7. 鎌ヶ岳山頂にて本日のメンバー
縦走路には若い2人がいた。鎌ヶ岳は初めてと言っていた。彼女は空身男性は小さなザックでどう見ても雨具も持っていそうにない。その時はそのあたりで引き返すのだろうと思って山頂まで1時間ぐらい(実際は30分)は掛かると言っておいた。しかし山頂ではこの男性にシャッターを押してもらうことになった。あえて三口谷側のガレ場を登る。山頂直下の鎖場で大パーティーと行き違ったが山頂には1パーティーいたのみですぐに下山していった。しばらくして若者2人ともう1パーティーが上がってきたのみであった。
8. シロヤシオの広場から鎌ヶ岳を振り返る
下山も計画どおり日蔭尾根をとる。ガスが晴れてきてシロヤシオの広場から鎌ヶ岳の山頂が望めた。早く下山する必要も無い。大休止を決め込む。後15分ほどのところでも30分ほどの大休止をして自然を堪能した。駐車地点に着いて靴を履き替えていると突然驟雨になり慌てて車に入った。行動中はほとんど雨に降られることもなく風が強かったものの汗の出るのを抑えてくれた感じで気持ちが良かった。ヒルも全くいなかった。温泉で汗を流し帰名した。

概念図はこちら

日蔭尾根についてMOさんは自然が残り急登でスリルも味わうことができ定例山行を鈴鹿で行う時は第一候補として上げたいという事であった。
(2006年7月16日)