■行ってきました |
イブネ・クラシ:ササの観察Z |
鈴鹿山系ササ枯れ調査を愛知県連として昨年から5年間毎年5月と11月の2回実施することになっていて「あつた」はイブネ・クラシである。「あつた」では昨年5回実施したので今回が7回目となる。前回までの調査項目に加え現地でのpH測定をしたりササ枯れ範囲を25000図にチェックしたりと新たな調査を行うことにした。 |
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1. 根ノ平峠 会事務所で4人が前夜泊して朝明駐車場に8人が集合した。星も見えない暗闇であったが夜明けの時間が近くなると朝霧が上がってきて山の輪郭がはっきりしてきた。さすがに山の中ヒンヤリする。根ノ平峠に着く頃には日が射し快晴になった。登山日和だ。ここのササは背丈3mほどの健全なもの・健全に見えても先の枯れているもの・稈のみが立っているもの・背丈30cmほどのものと枯れていく過程が観察できそうで継続観察してみたいと思う。 |
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2. 紅葉 コクイ谷に向かう登山道から別れ神崎川に下る。この季節水量が少ないので浸からずに渡渉できる。対岸の小沢を小峠に登る。紅葉の真っ盛りであるが尾根は木を頼りにした急登の連続でゆっくり楽しむ余裕は無い。 |
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3. イブネ北端 尾根が緩やかになると背の低いササがまばらに出てくる。葉も小さい。クラシ谷源流越しにクラシが見え隠れしている。イブネ北端に着いたが1m平方の観察地点のクサリが取られ特定が出来なくなっている。谷越えにクラシの山頂が見え手前のササは稈のみが立ち葉は付いていない。ここでTMさんとTa.Yo.さんはpHを測定した。3.9であった。 |
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4. イブネ北端7-2観察地点標識の設置と観察 クラシへの分岐周辺では葉身5cm程・節間10cm程・節からまばらに枝が分岐し上部は稈の先が枯れ節間が詰まり蜜に枝が分岐しているササが寝ていた。丈を計ってみると110cm程であった。これらのササも間もなく枯れるのだろう。ここに観察地点を移し木に「7-2定点観察点」の標識を取り付けた。 |
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5. クラシ観察地点にてpH測定 ここの観察地点は山頂からずらして設置してあるためクサリも木に巻いた標識も健在であった。土壌pHは3.6であった。 |
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6. 10cmほどの新芽に赤布を付け標ザサとする 1m四方の観察点の中に10cm以下の新芽は勢いがないものの3本あった。5月には5本であった。いずれにしての新芽のササが健全に生育するようには感じられない。標ササを決めてそれを継続観察することにした。 |
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7. 枯れて稈のみになった標ザサの根元 稈のみになったササが6本ある。そのうちの1本の根元に赤布を結び標ザサと決めた。稈の先は枯れ落ち・背丈97cm・上部で枝を7本分岐しているが葉は全く無い。 |
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8. 本日のメンバー(TYは撮影) 昔「越百」と標札の掛かっていたなだらかなピーク近くから御在所山と鎌ヶ岳をバックにして。前のササは枯れて稈が折れたり倒れたりして黒ずんでいる。 |
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9. クラシ観察地点の目標になるブナの木 ササ枯れしたところは土が露出している。このようなところが増えていくのだろう。 |
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10. イブネ北端への登り返し 昔背丈を超える笹薮のササが順次枯れ倒れた稈が重なり黒く積もっていたところにシノ類が生え今度はシダ類が生えてきた。自然の植生変化なのであろうか。 |
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11. イブネ観察地点 観察地点の木に巻きつけた標識は健在だがクサリは50mほど北に放置されプラスチックの標札は西側に割れて投げられていた。この辺りはシノやマンネンスギの繁殖が激しくササの本数を数えたり写真撮影でも笹が低くなっているせいもありササが区分けできないような状況になってきている。観察地点を90度回した。pHの測定結果は4.2であった。この一帯にはヤマツツジやサラサドウダンの樹がまばらにありこれらが根元から倒れているものもある。 |
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12. 杉峠からの道に出会って 紅葉を眺めながら佐目峠から沢沿いに下り千種街道はにでる。良く踏まれた登山道だ。黄色に色着いた葉は周りを一層明るくし落ち葉がクッションとなり気持ちが良い。神崎川から根ノ平峠に登り返して駐車場に下る。 (概念図はこちら) |
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ササの観察は8人全員の協力により調査項目が増えたにもかかわらず順調であった。リーダーのHSさんをはじめ皆さんに感謝したい。 |
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2006.11.5 T.Yamada |