■行ってきました

定例山行・ササの観察[:イブネ・クラシ 2007.5.20  T.Yamada

07年春の定例山行が昨年春同様イブネクラシで実施された。今回は甲津畑からの旧千種街道を杉峠に出てのコースであった。同時に5月のササ枯れ調査も実施した。当日は予報に反し雲(ガス)に覆われ強風と一時冷たい雨が降る中の行動になった。

1. 登山口
ササ枯れ調査隊5人と朝明愛知労山ロッジ宿泊メンバー4人が宇賀渓駐車場で合流して甲津畑登山口に着いた。気温が低く山に掛っている雲が動いていない。9人共にこのコースは初めてだ。左岸の林道歩きが長いと聞いていて25000図でもそれが載っている。釣りにきた人がいて山に登る人は戻ったところの林道を行くようだと教えてくれたが、聞いたことのない山名であったため、イブネ・クラシは別だろうと思った。左岸に林道が下っていたのでそれに入ると荒れて行き止まりになって引き返した。橋を渡り新しく出来ている右岸の舗装された林道を進むと左から入ってくる沢の先が崩れ、そこで林道は終わっていた。

2. シデの並木
林道終点から薄い踏跡があったのでそれを行くと尾根に上がっているようなので戻った。HSさんが谷に下る踏跡を見出して沢を渡渉する。堰堤の下から見上げると上にガードレールが見えた。これが本来歩くべき林道のようだ。すぐ先に登れそうなところがあり、そこには薄い踏跡があったのでこれを登ると林道に出た。8人に大変迷惑をかけてしまった。間も無くして会長が追いついてきた。後続のメンバー8人とは1時間の時間差が有った筈なのに。斜めに下る木を並べた橋が掛っていた。滑りやすいのでHSさんがロープを出し会長と2人でセットしてくれて安心して渡ることが出来た。「シデの並木」と標識が立っているところからしばらくは大木の間を進む。標識の説明にはミズナラ・カエデ属・クマシデ等の大木と記されていた。

3. 花をつけたヤマシャクヤク
シデの並木を過ぎると谷側に可憐なヤマシャクヤクが咲いていた。雌しべの先は茶色く雄しべの先は黄色く、白い花びらがこれらを包むような感じでかわいらしい花だ。
4. 杉峠にて
雨交じりの強風が吹く中杉峠に着いた。杉峠では少し反対側に下ったところで休憩するように会長からトランシーバーでアドバイスがあった。反対側に移ると風が弱くホットした。林道に上がってから先行したTMさんとYKさんからも連絡が入り、イブネに着いて土壌の採取をするとのことでありお願いした。
5. アセビの幼樹
杉峠の頭ではシロヤシオの花が咲いていたが小さく数も少ない。蕾の方が多くこれからのようであった。佐目峠からイブネに向かう斜面はササが無くなりアセビの幼樹が勢力を増している。ササが枯れてアセビに変われば将来は入道岳のようにアセビの群落になるのかもしれない。
6. クラシのササ枯れ調査(No.6)
イブネに着いて観察地点で写真を撮ろうとしている時、先行の3人から無線でクラシの観測点が判らないと連絡が入った。ブナの木の下であると説明をしたが、このガスではブナの木が見えないかもしれない。急いで行くとイブネ北端とクラシの鞍部で探していた。No.6観察点は昔越百の標札が掛かっていたところの先にある。初めての人には判り難いだろう。観察点1m四方の中にある枯れたササと新芽のササに赤布を付けて標ザサとしてある。YNさんにメジャーを持ってもらって計測した。枯れザサは折れた先まで約1m・昨年新芽のササは約6cmで変化は見られなかった。今回新芽8本総本数56と昨年11月と比較し5本増加していた。新芽8本と増加5本の差は数え方かもしれない。

7. 現地でのpH測定
県連自然保護部長のTMさんは簡易pH測定器と水を持参し土壌のpHの測定をした。pH4.1を示している。昨年11月は3.6であったので0.5上昇したことになる。別に土壌も採取し持ち帰る。
8. クラシの観測地点近くにて本日のメンバー全員で
観測点で後発の8名が来るのを待って、全員が揃ったところに二人パーティーが通りがかったのでシャッターをお願いした。三重県の人で甲津畑から登ったとのことであった。「あつた」のホームページを時々開いて頂いているようで書き込みが出来るかと聞かれた。非常に嬉しかった。(23日「らいむ」さんから写真付きで書き込んでいただいたようでありがとうございました)
9. クラシ山頂のシャクナゲ
クラシ山頂周辺にはササは無くシャクナゲが密集している。今年も満開であった。シャクナゲの花を見ながら大休止した。
10. イブネ北端からイブネに向けて
イブネ北端(No7-2)観察点が悪戯され前回少し移動した。赤布を付けた標ザサの根元だけ写真に収め良しとした。ガスの中全員が一列になってイブネに向かう。25000図へのササ枯れ範囲の目視記録は全く出来ない。
11. 杉峠の頭からの下り
イブネの観測点も悪戯され前回90°向きを変えた。pH測定は往きにTMさんとYKさんにして頂き4.4の結果であった。土壌は別に採取していただいた。赤布の標ザサは枯れザサ30cm新芽5cmであった。1m四方の中にはマンネンスギが芽を出していた。杉峠への下りこのカエデの仲間から先の平原状になったところのササは稈も全く無くなっている。
12. 新緑の旧千種街道
黄緑に彩られた旧千種街道の新緑は目に染み渡る。道も林道と歩きやすい登山道のため朝明より楽だとの評価のようだが自分は根ノ平〜佐目峠の方が好みだ。林道歩きが長すぎる。往きに林道に上がったところと林道合流点を確認して駐車場に戻り反省会を行なって定例山行・ササ枯れ調査を無事終了した。

概念図はこちら

<ヒヤリハット>
@ 登山口の見落とし:結果としては林道に上がれ問題は無かった。しかしササ枯れ調査隊と朝明宿泊隊と合同パーティーの体力を消耗させたことを反省する。25000図では進むべき林道から橋が掛っているように思えたが少し手前に分岐があった。
A 斜めに下っている木の橋でのスリップダウン:HSさんとSN会長が設置したロープにより、スリップダウンしたが落ちずにすんだメンバーがあった。

イブネ・クラシ らいむ

(らいむさんは会員ではありません。いただいたメールの一部を紹介します)

はじめまして。20日のイブネ・クラシでお会いした者です。

「写真を撮ってください」とおっしゃって 旗をみたら「あつた・・・」と。
HPには時々お邪魔していましたので うれしくなって思わずお声をかけてしまいました(笑)

前泊の朝明組と合流されたのですね。
甲津畑からは確か8名でしたので 突然人数が増えてびっくり。
でも霧の中 カラフル軍団を見つけて心強かったです(笑)

皆さんのお顔ははっきりしませんが 濃霧の雰囲気だけ お届けできたらと 写真送らせていただきます。

イブネ・クラシは 以前から行きたくてやっと実現した山。
ヤマシャクヤク シロヤシオ シャクナゲと豪華3点セットのお出迎えに狂喜乱舞しました(笑)
これで晴れていたら…。
またお気に入りの山がふえました。