■行ってきました

小峠〜クラシ〜イブネ〜佐目峠 2008.9.28  T.Yamada

1. 朝明駐車場
JHさんとSHさんを乗せて湾岸高速から朝明渓谷に向かう。消防車が鐘を鳴らしていく。右手公園方向に黒い煙が上がっていた。いつも通る道は橋が渡れず通行止めで公園を迂回するように表示が出ていた。公園に入るとそこの駐車場で車が煙を上げている。横を通り朝明駐車場に着くとSMさんをはじめ4人がいた。曇り空だが晴れ女のSMさんがいるので安心だ。
2. 堰堤の上を右岸へ
橋を渡ると腰越谷から押し寄せた大きな岩が谷を埋めている。林道に入るとすぐ右山側からの土砂崩れがひどい。崩れ落ちた土砂で家が押し潰されて傾いている。少し進むと崩壊した土砂が伊勢谷へ押し寄せている。先が思いやられる。堰堤上を右岸に渡るところは以前から岩石がゴロゴロしていたが一層多くなっていた。
3. 小峠への分岐点
右岸山側から崩れ落ちた岩石が伊勢谷を覆い左岸まで押し寄せ石積みの上を歩いていたところは完全に埋まって平行になっていて休憩場所を提供してくれている。根の平峠のササは一部健在な葉の大きなものが残っていたがこれも伊勢側では枯れて桿のみになっていた。タケ谷道から分かれる所は真直ぐ下りやすい。上水晶谷を跨いですぐの小峠への分岐もうっかりするとコクイ谷方向に行ってしまう。注意したいところだ。
4. 現在地を確認する紅二点
豪雨の影響も滋賀県側は無傷に近い。神崎川を渡渉してからはガラガラの小沢を行き小峠への最後の登りが掘割になった岩場の様相である。小峠からの尾根も路のはっきりしない急登だ。全員いやなトラバースも気にならずに通過したようだ。
5. イブネ北端観察点
緩やかになった尾根を右にクラシを見てルンルン気分でイブネ北端に出る。前にはクラシがあり後ろ樹間からは雨乞岳が見える。そこが最初に設定した観察点なのだがササ枯れ調査の標識や1uの鎖が悪戯されたこととササが消滅したため登山道から数m離れたところに移動した。ここも枯れた桿が短くなりササの観察は出来ない。下草はマンネンスギとヒカゲノカズラで覆われていた。今後どう変化するのだろう。
6. クラシに向かう
ササの無くなった丘陵を下っていく。曇っているが視界は極めてよい。左には琵琶湖と対岸の比良山系と伊吹山から連なる奥美濃の山々や白山も見えるようだ。ササが健常であれば目の前の桿より見えないはずだ。
7. クラシでの枯れザサ計測
枯れた桿と昨年の芽に赤布をつけ標ザサとしている。枯れた桿は60cmとより短くなり幼ザサは赤布だけを残し姿が見えない。今回はササの調査がメインではないので土壌の採集と桿や今年でた芽の数は11月にすることとした。
8. ササ枯れ後の植生の一部
観察点近くではシダ類の間にコケ類が見られそこにヒカゲノカズラが地上を這ってコケ類の中に伸びだしていた。
9. クラシ山頂にて(HYさん撮影)
クラシ山頂を踏むのは樹林でシャクナゲの咲くとき以外は特に良いところとは言えないがササの無くなった今でも奥深いところに来たという実感はある。
10. 小ピークにて本日のメンバー全員で
毎回同じところで御在所山と鎌ヶ岳をバックに写真を撮っている。今回は小さな三脚で撮ったため御在所山が隠れてしまった。しかしササが無くなった様子や樹が倒れ朽ちてきてその跡に何も生えてきていないことは良く判る。反面ササが無くなり展望抜群だ。
11. イブネ山頂近くを行く(バックは雨乞岳)
当初のイブネ観察地点はシノ類が繁殖して枯れザサの数が出来なくて45°右に移動したがそこには今も短いササが生存していた。しかしそれ以上にヒカゲノカズラとマンネンスギやアセビの樹がはびこってきている。山頂近くはゴルフ場のグリーンのような短いシバ?と周りはこの一帯に見られるようになったシノ類である。
12. コクイ谷出合の変貌
佐目峠に下るときカヤツリグサ科のものも見られた。佐目峠からは踏跡のはっきりしないところを適当に下ることになる。SMさんは女性交流山行の目印に赤布を縛りながら歩きやすいところを進む。踏跡にでて下重谷を渡り杉峠からの登山道に出ると一本道だ。ところどころ崩れているが歩ける。コクイ谷出合に下りて驚いた。砂礫が段になって壁側が埋まり流の位置が変わっている。渡渉は石飛なしにスムースにできる。往路に戻り上水晶谷を渡渉するところは踏跡が上流に続いているので注意したい。根の平峠から振り返るとイブネの北端とクラシが見えていた。浮石に注意して駐車場に戻り「三休の湯」で汗を流し帰路に着いた。

愛知県連女性交流山行の下見とササの観察を兼ねた山行であった。今回は交流山行のリーダーが予定されているSLのSMさんに常時先頭を歩いていただいた。路の不明瞭なところもあり大変ご苦労様でした。小峠・佐目峠経由は変化があり意欲的なものには違いない。しかし所要時間をササの観察を抜きにしても10時間は見ておきたい。この点を考慮してSMさんがどう判断されるか。このコースで実施する場合愛知県連ロッジに宿泊しても6時には駐車場をスタートした方が良いであろう。