■行ってきました

御池岳奥ノ平 愛知県連・滋賀県連合同ササ枯れ調査 T.Yamada

愛知県連では昨年より「鈴鹿山系ササ枯れ調査委員会」を立ち上げ、各会が調査山岳を決め観察を開始した。鈴鹿山系の東側は三重県と一部岐阜県・西は滋賀県である。ササ枯れは山系全体に広がっているようであるが、特にイブネ・クラシの山頂平原・御池岳山頂一帯は背丈を超える頑強なササ原で、踏み込むのに難渋したものであるが、今は枯れた稈が立っていて程度になっている。このイブネ・クラシや御池岳一帯は滋賀県に位置していることもあり、調査委員会で滋賀県と合同での調査も必要ではないかとの提案があり、調査委員長の調整により今回の合同ササ枯れ調査が実現したものである。

1. 鞍掛峠トンネル三重県側駐車場
午前中から雨の予報のため前日に「あつた」の地図読み・ボッカトレーニングは中止になり参加はササ枯れが主体の3名になった。
06年11月26日滋賀県連との合同ササ枯れ調査のため鞍掛峠に向かう。道中HSさんが今朝の新聞によると「峠辺りで遭難があったようだ」と言っていた。駐車場にはパトカーや消防自動車が止まっていて上空ではヘリコプターが捜索していた。
2. コグルミ谷の登山口
愛知県連からはササ枯れ調査で奥ノ平・カタクリ峠担当の「みどり」と「じねんじょ」の他「春日井峠」・「ふわく」・調査委員長が会長の「同志会」・それに「あつた」の各山岳会から26名の参加者・滋賀県連から事務局長で「鈴鹿山歩会」副会長のMKさんをはじめ6名の参加があり合計32名の大団体登山の様相になった。今日はコグルミ谷道を登るので峠から国道306を下る。
3. カタクリ峠
登山口は2・3年前の台風により登山道が下部で崩落したため右岸に付け替えられている。一列になって登り長命水で一本立てた。スタートする時ポツリと落ちてきたので雨具を上だけ着けていた。暑くて汗が出てくる。ここで一枚脱ぐ。カタクリ峠に着いてササの調査をするというのだが蔭も形もない。昔はササが多かったと聞いた。ササに興味がなかったためにその記憶がない。担当の「じねんじょ」の方が掘って見たら地下茎があったと言うことだ。
4. 奥ノ平にてササ枯れの説明をする調査委員長
奥ノ平はガスに包まれ展望は全くきかないがササの状態は観察できる。黒い稈が立っている。全員集まったところで円陣を組みそこで調査委員長から30年前に登った時は背丈以上のささを掻き分けて歩いた経験や昔の写真とササ枯れした写真を「ふわく」の方が「労山愛知」に載せた紹介があった。
5. 奥ノ平の紹介をする滋賀県連代表とササの採集をする「じねんじょ」の方々
奥ノ平に着くと「じねんじょ」のメンバーはササの標本を作製するために採集に取り掛かった。採集したササはベニヤで作った野冊代わりに挟んでいた。
滋賀県連代表のMKさんは今までに100回以上今年も既に10回は登っていると言う。MKさんはササ枯れの原因は「シカが下から上に削ぎ取るように食べたためにこのようになった。条件が良ければ2〜3年で元に戻るだろう」との見解であった。ササ枯れの要因はいろいろ出ているが全て推論に過ぎない。シカの食害に対する反論をしたがここはガスの中冷たい風が吹き体が冷え切ってきたため打ち切りになった。
6. 丸山への分岐にて大休止(「あつた」のメンバーHS・TM他にTY)
分岐は風が当たらない。MKさんは鍋で肉を焼き「あつた」の3人も相伴になった。気温が下がっているだけに暖かい肉は特に美味しかった。
7. 中池
各会毎に責任を持って行動する様にリーダー(調査委員長)から指示が出ていたので会毎に丸山に着いた。「みどり」は分岐から下ったようだ。
鈴北岳へどのルートから行くか。最短ルートをMKさんに案内してもらう。ササが枯れていて稈だけが立っているのみなのでどこでも歩けるようだがなだらかなため尾根や谷が判りにくい。その上ガスで周りが見えないため難しい。MKさんは池の位置を目標に時々GPSを出して方角を定めメンバーにコンパスの角度を320°・282°等に設定するよう指示を出して前進した。池のあるところに出た。MKさんが設置した標札が木の上の方に付いていて「中池」と書いてあった。深い雪の時に取り付けたものだと言っていた。
8. 鈴北岳山頂
GPSでの確認を繰り返し「平池」「サワグルミの池」を通り「真の池」に出て登山道に合流した。遭難碑の横を通り「元池」に出て鈴北岳山頂に登った。この周辺のササも稈が立っているだけだ。すぐ下山に掛かる。
9. 鞍掛峠駐車場にて記念撮影
1056辺りに来るとガスが切れて周りの山が見える。紅葉は盛りを過ぎていた。峠から下り駐車場が見える頃雨が降り出した。雨の中峠に下山したメンバーに集まってもらい記念撮影を撮り車に乗った。

山口の休憩施設まで滋賀県連の方々にも来て頂き本日の成果について話し合った。愛知県連のササ枯れ調査に対する取り組みの一端を見て頂いて滋賀県連としても鈴鹿のササ枯れについての意識が多少なりとも変わったものと思われる。これにより滋賀県連との繋がりが一層深まることを期待したい。

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(2006.11.26)