■行ってきました

愛知・滋賀県連合同ササ枯れ調査W」
カタクリ峠・御池岳奥ノ平・鈴北岳北県境稜線
2009.10.25  T.Yamada

この合同調査は06年に第一回を今回と同じ御池岳奥ノ平で実施した。06年11月26日に行われた時の報告は「あつた勤労者山岳会」のホームページに12月7日にアップしていただいている。今までと異なる点は三重県林業研究所のS主任研究員と愛知県連のH会長・理事長が参加され大変勉強させていただいたことである。天候に恵まれ紅葉の真っ盛りでササのない展望を楽しむこともできた。滋賀県連との調整や専門家への働き掛けは自然保護部長・鈴鹿山系ササ枯れ調査委員長のY氏がされ今回も実施できたものである。

1. 駐車場にて
愛知県連12名・滋賀県連3名とS主任の16名の参加者である。担当の「じねんじょ」Iさんが世話役で本日の山行と御池岳調査地点3か所の説明がされその後自己紹介が行われた。Iさんはこの5年間の調査を写真で説明されていたので本日の調査について理解が得やすかったと思われる。
2. カタクリ峠
R306をコグルミ谷の登山口まで下り入山する。「HF山の会」のKさんは昨日新しい靴で山行し踵を傷め登りに影響するということで体力の落ちているTYと一緒に2人でゆっくり歩いていただけることになった。長命水で小休止してカタクリ峠についた。Iさんからササ枯れ調査地点@である説明がされたがササは全くない。Hさんから20年前にはすでにササはなかったとの話があった。
3. 紅葉
真ノ谷支流最上部をトラバースする道は紅葉が真っ盛り。黄色の明るさが気持ちがよい。
4. ササ枯れ第2号定点観察点(御池岳奥ノ平)
御池岳丸山に登ってもパーティーのメンバーはいなかった。ショートカットして奥ノ平に行ったのであろう。奥ノ平に着くとメンバーは御池岳丸山に戻るところであった。「奥ノ平」の標識が立っていて「第2号定点観察点」Aの標識もあった。黒くなった枯れザサの稈が立っているところにはシダ類・稈もなくなっているところにはスゲの仲間が繁茂していた。このシダは「イワヒメワラビ」という名でシカも食べないとSさんから教えていただいた。KさんとTYは写真を撮り小休止。
5. 奥ノ平から南の展望
14日に南端から見た時と同じ方向であるが今日は遠くに御在所山・雨乞岳・綿向山右に日本コバその手前に天狗堂が見えた。
6. ボタンブチ方向の展望
ササ枯れのあとやはりスゲの仲間とイワヒメワラビところどころにササの稈が残っている。膝までのスゲやイワヒメワラビの中を歩くつもりであれば見通しがきくのでどこでも歩ける。断崖の向こうには御池川を挟んで天狗堂から続くサンヤリその奥には日本コバからの山々が見える。
7. 落葉の中にて
丸山に戻ったがメンバーの姿はなかった。2人は鈴北岳に向かう尾根の路を進む。踏み跡が薄くなったが赤く染まった落葉の路は気持ちが良い。
8. 真ノ谷の源流に向かう
尾根は真ノ谷の源流に下っている。出来るだけ上部で出会うほうが登り返しが少ないだろう。どこでも歩ける雰囲気の良いところだ。
9. 鈴北岳稜線の紅葉
真ノ谷の源流を挟んで鈴北岳と県境稜線の紅葉がすばらしかった。ここから左の浅い谷を越えて行こう。
10. 鈴北岳から御池岳
鈴北岳山頂にメンバーがいるのが見えた。少々草木を分けるとすぐ真ノ谷源流の踏み跡に出合ったがそのまま進み登山道に出て山頂に着いた。
11. ササの残稈と紅葉
タテ谷源流を取り囲む山々の紅葉も今が最盛である。北に向かう県境尾根のササはほとんどが稈のみになっているものの調査地点B近くでは稈の上部で枝が密集しその先に小さな葉が残っているものも見られた。
12. 下山後の集会
樹皮をシカが剥たあとがあり一定の高さより下は枝がない樹もある。この一定の高さを「シカライン」と言うことをSさんから教わった。鞍掛峠手前に立っている送電鉄塔は中部電力と関西電力が電力をやり取りしているところらしいとYさんが教えてくれた。説明の看板が立っていた。峠から大下りして沢を渡ったところの広場で下山集会が行われた。各自が自己紹介した。Sさんは仕事で週に3回ほど三重県の山に入っているが鈴鹿の山は少ないようである。樹木についても詳しいうえに若く山に対する真摯な取り組みに感動した。行政への働き掛けを含め今後も指導していただきたいと思っている。Iさんから本日の「滋賀・愛知 笹枯れ合同調査」の結果報告があり参加者から今後に対する質問や意見が出されH理事長から継続の必要性についてのアドバイスがあった。終了後ここで解散になった。
概念図はこちら

今回「HF山の会」のKさんに一緒していただいて感謝しています。
「あつた」としてササ枯れ委員のHKさんが現地まで車で来たもののぎっくり腰の前兆で参加できず自然保護部長のMUさんとTYの2名になったのが残念である。11月15日にはイブネ・クラシのササ枯れ調査の計画になっている。