■行ってきました

残雪の安平路山へ 2011.5.22 usagi

種別 個人山行  目的 雪上長時間歩行トレーニング
山域 中央アルプス  山名 摺古木山(すりこぎやま))〜安平路山(あんぺいじやま)
メンバー CL/SS YK NM  計 3名

行程 4/29 せと赤津IC16:10===飯田IC===県道8号(大平街道)===大平宿(林道東沢線)
===摺古木自然園休憩舎 18:25
4/30 摺古木自然園休憩舎6:00---展望台分岐7:20---摺古木山8:55---白ビソ山10:15---
摺古木山11:40---展望台12:50---展望台分岐13:17---摺古木自然園休憩舎14:40
摺古木自然園休憩舎15:00===砂払温泉===飯田IC===せと赤津IC18:20


予定していた笈ガ岳が延期になり、日帰りで行けそうな山ということで、前から行きたいと思っていた中央アルプスの安平路山に行くことになりました。今回のメンバーは、山歴40年の超ベテランSさんをリーダーに、つい先日あつた労山に入会したばかりのKさん、usagiの3人。
瀬戸雲興寺Pで集合し、Sさんのランクルで出発。飯田IC〜県道8号線(大平街道)〜東沢林道と走って、登山口の摺古木自然園休憩舎を目指します。大平宿から8キロほどの東沢林道は悪路で有名なところ。
噂通りの悪路でしたが、車高を上げたSさんのランクルは問題なし。40分はかかるとネットにあった林道を25分で走りぬけ、明るいうちに摺古木自然園休憩舎に到着しました。


休憩舎はなかなかりっぱな避難小屋。車が一台も止まってなかったので、私たちの貸し切りか?と思って小屋に入ったら、東京から来たという単独行の先客がいました。タクシーで林道途中のゲートまで入り、そこから歩いてここまで来たとのこと。私たちが到着した時にはすでに夕飯も終わり、シュラフにくるまっていました。
翌日は安平路まで行かれるとのこと。きっと朝が早いのだろうと、私たちはちょっと遠慮がちにミニ宴会。
あれこれ山の話やらで盛り上がりましたが、8時半には就寝したのでした。


翌朝は5時起床。単独行の人はすでに出発した後。きっと私たちに気を使われて、静かに朝の準備をされたのでしょう。usagiは4時頃、気配で一瞬目が覚めたけれど、すぐにまた眠ってしまいました。
私たち3人は準備をして、6時に休憩舎を出発。小屋のすぐ横の登山口から、笹が刈り払われた急な坂を登って行きます。20分ほど登ったら傾斜が落ち、すぐ雪の道になりました。

 
Sさんは、しっかり蹴り込んで歩けばアイゼンはいらないと、登りはずっとアイゼンなし。
usagiは信用できない右ひざなので、早々にアイゼン装着。
Kさんも、だんだん深くなる残雪に、しばらく行ったところでアイゼン装着。Kさんはこの日のために冬靴と12爪のアイゼンを購入してきたばかり。ということで、この日が冬靴&アイゼンデビュー♪

 

登山道は、途中で直登コースと展望台コースに分岐します。今回は時間短縮ということで、行きは直登して、帰りに時間があったら展望台コースを歩くことにしました。(画像は分岐よりも手前の標識です)


直登コースは、笹に残雪の登山道。写真で見るよりも、かなり急傾斜です。
このあと私たちは登山道を少し外したようで道はさらに大変になり、シャクナゲや背の低い松?のブッシュに突入、ひどい藪漕ぎを強いられました。(その間、画像なし)


やっとでブッシュから出て、ほんの少し雪の尾根を歩いたら、展望抜群の摺古木山山頂に到着しました。
休憩舎を出発してから3時間半でした。


中央アルプス南端の摺古木山から見た山々。
この縦走路は北へ、越百山〜南駒ヶ岳〜仙涯嶺〜空木岳〜木曽駒ヶ岳へと続く道。
Sさんはかつて高校3年生の時、単独でこの道を北から南へずっと、全山縦走したことがあるそうです。
ものすごいがんばり屋の高校生だったんですね〜。


摺古木山から安平路山へ向かうには、この雪の急斜面を一気に下ります。
ここまで藪漕ぎやら、急登やら、かなり歩きにくい道でしたが、斜面を降りきってからは、なだらかで歩きやすい広い尾根の雪道になりました。
先発した単独行の人の足跡は摺古木山あたりでなくなっていたので、安平路山へは向かわず、展望台コースを通って下山されたのかも知れません。


摺古木山から1時間ほど歩いて、私たちがこの日たどりついた最終地点。
GPSで確認した、標高2,265m白ビソ山の山頂。(山頂標識は雪の下)
ここから安平路山避難小屋までは30分、その先の安平路山頂へはさらに1時間。
でも、とてもコースタイム通りには歩けそうもないし、天気も予報に反してだんだん怪しくなってきたし、Kさんもかなりバテているようだしということで、残念ながらここで撤退を決めました。


今来た雪の尾根を戻り、摺古木山山頂まで急坂を登り返します。
摺古木山で景色をのんびり眺めてから、下りは展望台コースを歩くことにしました。
右手に見える小高い展望台を目指して、残雪に深く覆われた尾根道を行きます。


尾根道の残雪はこんな感じ。この下に登山道が隠れています。
どこが道だかよくわからないので、GPSとにらめっこで歩いていきます。油断すると、雪を踏みぬいてひどいことになります。usagiもひどくハマってしまって、脱出に5分くらいかかりました。
天気はいよいよ怪しく、ようやくたどり着いた展望台からの展望もいまひとつ、雨も降りだしてきたので帰り道を急ぎます。


usagiの苦手な雪の斜面のトラバースをさんざん歩いて、ようやく直登コースとの分岐に出ました。


トラバースはこんな感じ。この時期はほとんど人が入っていなかったので、踏み跡はなし。
雪は締まっていますが、歩いてみると画像で見る以上に歩きづらく、気が抜けません。
こんな道が延々と続きます。


やっとで残雪のないところまで戻ったら、ホントにホッとしてアイゼンを外しました。


残雪のなくなった笹の急斜面をどんどん下って行ったら、摺古木自然園休憩舎のすぐ横に飛び出ました。
やれやれ、やっと着いた。

 荷物を片付けていたら、地元の方が2人、休憩舎とトイレの掃除にやってきました。
ご苦労様です。こういった地元の方たちの努力で、この避難小屋やトイレが快適に保たれるのですね。
   

けっこう雨が降ったので帰りの林道が心配でしたが、地元の車が無事にやってきたということで超安心。
それでも、Sさんのランクルは狭いダートの道幅いっぱい。急斜面から今にも落っこちそうな岩も変わりません。
ところどころ斜面工事が行われているところは、よほどひどく崩れたのを復旧したものでしょう。
慎重に通りすぎて、無事8キロの林道を走りきり、大平宿に到着しました。

今回は予想以上の残雪に阻まれ、残念ながら安平路山の山頂を踏むことはできませんでしたが、
ずっと行きたかった中央アルプスの稜線を歩くことができてうれしかったです。
また今度は紅葉の頃にでも、「リベンジ安平路山!」で訪れたいと思います。

<安平路その後>
この時は敗退した安平路山、2016年11月になってようやく登ることができました。
思えば20年近く前、MAKIさんが大きなお鍋と大根を背負って、クライミングの仲間たちと大勢で安平路避難小屋でおでんパーティー山行した時、わたしは予定があって行くことができませんでした。
その後MAKIさんはあっちの世界にいってしまったので、ずっとずっとこの景色が見たいと思い続けてきたんだなぁと、あらためてこの山に来てわかりました。
あつた労山の仲間のおかげで、やっと昔の宿題ができました。感謝!(追記)