■行ってきました

鈴北岳 コグルミ谷登山口から 2011.5.1 登歩トボ
種別 個人山行  目的 花の観察 
山名 鈴北岳(すずきただけ) 山域 鈴鹿
日程 2011年4月28日(金曜日) 天候 晴れ時々曇り
メンバー CL H.Y SL T.Y T.O 計 3名

行程
[H.Y宅]5:25---6:00[名古屋西IC]===[桑名IC] ---6:38[コグルミ谷登山口前駐車地]6:45・・・
7:12[タテ谷分岐]・・・11:15[1056P]・・・11:54[鈴北岳]・・・13:15[御池登山路七合目出合]・・・
13:24[六合目カタクリ峠]13:42・・・14:06[長命水]14:17・・・14:51[コグルミ谷登山口前駐車地]・・・
15:30[喫茶如庵]---16:34[阿下喜温泉]---[桑名IC]===[名古屋西IC]---[H.Y宅]18:21

装備
良く一緒に歩いていただくK.SさんやT.Yさんは、なかなか一般道を歩いていただけないので、簡単に参加してしまうと大変な目に合う。もう何度肝を冷やす山行をしたことか。安全確実第一の私にとって、バリエーションは緊張する。しかし、自由に鈴鹿を歩けるようになるためには、そういう経験もしなければならない。経験豊富な先輩方に同行して身体で覚えるしかない。計画を立てていただいたT.Yさんによると山頂近くの谷には雪は残っているかもしれないが、アイゼンをつけるほどではないので、持って行かなくてもよいとの事。つい先日の竜ヶ岳でも全く残雪がなかったことから私も必要ないと考え装備に入れなかった。


コグルミ谷登山口
コグルミ谷登山口
登山口前に1台なら停められるスペースがあり、一番乗りの特典で駐車。登山口左岸の登山届ポストに計画書を投函。左岸の登山道は崩壊しているので、今は右岸から登る道が付けられている。気温はかなり低め。先頭を私が歩き、最後をT.Yさんにお願いした。いきなり急登から始まった。T.Yさんの山行は今年まだ2回目、久しぶりの山行で体調を見るため、T.Yさんのペースで歩く。休日で人気の山、何組かの登山者が歩き始めている。先に行っていただく。

コグルミ谷からタテ谷への分岐
タテ谷分岐からヨコ谷を目指す
「タテ谷」から「鈴北岳」への分岐を示す案内板。ほとんどの登山者は「コグルミ谷」を真っ直ぐ南の「カタクリ峠」「御池岳」に向かう。私たちは、分岐案内板に従って右の尾根の山腹に取り付く。ここまでの登山道とはまるで踏み後の濃さが違う。薄くなった。しばらく歩くと踏み跡がわからなくなった。赤テープもない。「タテ谷」横のトラバース道を捜すが見つからない。私の読みが甘かった。谷に下りてからかなりゴーロの急登。

タテ谷の雪渓を登る
しばらくすると雪渓。数10mはある。私は少々躊躇した。T.Yさんは蹴りこみを入れながら上がれば大丈夫との弁。夏靴での雪渓は初めてなので少々緊張。しかし、滑落だけは避けなければならない。慎重に何度も深く足元に蹴りこみを入れながら登った。後ろからT.Yさんが、私たちに歩き方を指導、踏み場所を「右!左!」と指示され、陥没しそうな場所を避けながらゆっくりゆっくり登った。途中雪渓が途切れた場所があり、その上の雪渓に登る大きな段差の岩を登るのにはかなり難渋した。谷の急登がかなり危険になってきたので右の尾根の山腹に取り付くことにした。もう引き返すことは出来ない。 
鈴鹿の風情がすばらしい尾根 タテ谷北の尾根からP1056まで
 右の尾根に取り付いたまでは良いが、これがまたキツイ。グズグズの斜面の土に蹴りこみを入れるたび小石が谷へザラザラと落ちていく。かなり間を空けているが、一度T.Yさんを直撃した石があったが、怪我はなかった。危険な急斜面地帯を抜けるのに30分以上要した。何とか尾根の上にたどり着いたとき、T.Yさんはかなり体力を消耗。そこでやっと自分達の現在地を確認。1056Pから派生している尾根の東先端だった。

1056Pは大勢の登山者が行きかう登山道
尾根の向うへ回り込むと西に伸びている深い谷、「ヨコ谷」があった。不幸中の幸いだったかもしれない。あのまま谷を遡行していたら。「ヨコ谷」と出会うものの、その後は再び危険な雪渓歩きとなってしまうところだった。つまり分岐から「タテ谷」への路を歩いたとき、あわててはやく「タテ谷」に降りてしまったのが、コースはずれの原因だ。しかしその後の1056Pへ続く尾根は快適で鈴鹿らしい雰囲気の枯れた雑木が続いていた。

鈴北岳山頂は登山者でイッパイ
心地良い尾根歩きを楽しんだ後ピークに着いた。鞍掛峠から鈴北への登山道との出合だ。この登山道を次から次へと大勢の登山者が行き交う。T.Yさんはこれが面白くない。人がいない静かな山歩きを楽しみたいのだ。しかし、人のいない道を行きたくても尾根への取り付きで相当体力を消耗しており、本来歩く予定であった「ヨコ谷」の源流部から登るコースに戻る気力はなかった。残りわずかではあったが、T.Yさんにはかなりの急登に感じられたようで、何度も立ち止まられ、苦しい息を整えねばならなかった。
県境尾根から御池岳を望む 鈴北岳から県境尾根
40分程かけて「鈴北岳」山頂に到着。12時少し前だった。山頂には大勢の登山者。山頂名表示板の前でグループがかわるがわる記念写真を撮り合った。雲が多くて遠望はできなかったので最高の展望と言うわけにはいかなかったが、琵琶湖の竹生島、伊吹、霊仙など周囲の鈴鹿の山々を見渡すことが出来た。御池岳は目の前にあったが、T.Yさんから「制限時間内ではあるが、御池岳を回るルートは次回にしたい」とのお話しがあり、私とT.Oさんはもちろんそれで良いですよと答えた。


展望はまあまあと言うところ
これでこの日の御池丸山からボタンブチを回るコースはなくなった。けれどこの変更は計画に入っていた。
この後は短縮ルートの県境尾根を辿りカタクリ峠に下り、コグルミ谷道から戻る計画を選択。気温は少し上がってきたようだが相変わらず冷たい風も少しある。県境尾根を東に向かって歩いた。県境尾根を歩く登山者はなく私たちだけであった。昼食の後の県境尾根歩きは快適そのものであった。

ドリーネの池の中に蛙が遊んでいた
広々とした大きな稜線。潅木にまだ新緑はなく見通しもよく、多くの大小のドリーネを回り込みながら、御池岳の北斜面に残る残雪を見ながら歩く尾根は本当に心安らぐ楽しいひと時であった。1148P手前に大きなドリーネがあり、池になっていた。沢山の蛙が水面に顔を出すたびに水環を作るのが面白くしばらく足を止めた。間もなく御池登山道七合目県境出合に着いた。

御池岳登山道六合目カタクリ峠
カタクリ峠から登山口へ
 御池岳から八合目真の谷出合に降りてくる谷筋の登山道を見ると稜線から鞍部まで雪に埋まっていた。御池岳へ回らなくて良かったと思った。雪渓をアイゼン無しで下るのは、危険・無謀である。これも不幸中の幸いとなった。T.Yさんの体力がなく周回を断念したことが結果的に私達の山行を危険から回避させたのである。この時期の御池岳は、アイゼン装備が必須であることを学び、重大な反省点とした。カタクリ峠で休憩。「長命水」で休憩。七合目から登山口まで1時間30分程で下ることが出来た。しばらく山から離れていたため足が戻っていなかったT.Yさんからの「申し訳ない」の連発にはこちらが恐縮してしまった。
 
コグルミ谷の下山、トラバースは緊張

 長命水

 反省
今回の山行も大変肝を冷やす危なっかしい山行となってしまった。運が良かっただけで危険と隣りあわせだったかもしれない。装備の不備は、命取りになりかねない。事前の下調べや地図読みもしっかり行ったはずだが、ついベテランに頼ってしまい自分の判断をしなかった。下調べも安易に過ぎ、残雪の状況など正しい下調べになっていなかった。リーダーとしての役割もできなかった。また学ぶことの多い山行にもなり、T.YさんやT.Oさんに教えられることが沢山あった。
素晴らしい鈴鹿を見せていただいたことに感謝である。ますます鈴鹿が好きになった。
次回の御池岳山行が楽しみだ。同行のお二人に感謝である。.


概念図



この日出会った鈴鹿の花たちです