■行ってきました

天狗原〜南岳〜槍ヶ岳 2008.8.23  T.Yamada

昨年霞沢岳に登った時SMさんが来年は天狗原に行くと言っていた。天狗原は昔から雑誌やガイド書を何度も見ていたが行きそびれぜひ参加したいと思った。日程がどうなるかと心配したが休みの取れた20日〜23日に合わせて頂けた。73才のHTさん・72才のTYと70才台が2人・昨年11月入会したTe.Ya.さんと今年入会したH.Y.さんと新人2人の5人メンバーである。さぞかしリーダーのSMさんは気苦労が多かった事であったろう。

1. 一ノ俣谷
平湯「あかんだな駐車場」に車を止めバスで上高地に入る。観光客が多い。ウイークデーの10時過ぎのせいか天気予報によるためか登山者の姿は少ない。上空は雲に覆われているものの木々を眺めながらの散策気分だ。明神・徳沢・横尾と梓川を挟んで明神岳や屏風岩に連なる山々の下部を眺めながら行く。槍沢左岸の道を約1時間で一ノ俣谷だ。二ノ俣谷を越えたところでポツポツ落ちてきて雨具を着たがすぐに止んでしまった。槍沢ロッジは予想より登山者が少なく1人1枚の布団で睡眠が取れた。漬物が美味しかった。(20日宿泊)
2. 天狗原への道
槍ヶ岳への道から天狗原へ分かれるところでHTさんとTYは遅れ気味になり3人に先行してもらうことにした。岩壁から崩れ落ちたゴロゴロをトラバースするとその草原は紫色の花を穂状につけたクガイソウのお花畑になっていた。
3. 天狗ノ池
中岳から派生しているこの岩壁の末端を巻くと大きな岩が積み重なっている。これを越えるとすぐ下に天狗原のカール底である天狗ノ池が現れた。先行の3人がいた。対岸からは逆さ槍が見えるはずであるが今日はガスの中で残念である。
4. 横尾尾根の登り
カールの中には残雪もありチングルマは花が終わり茶色に広げ雫がついてきれいだ。ペンキマークを頼りに大きな岩塊を越えていく。横尾尾根の鞍部に上がると反対側は横尾谷右股でガスっているが屏風岩も見えている。岩の尾根はどこまでも上に続いているような感じでガスの中に消えている。鉄梯子を登ると下に視界が広がった。断続的に小雨が降りガスに包まれながら主稜線に出て南岳から南岳小屋に着いた。先発の3人が迎えてくれた。夕食時間になっても食欲は出てこなかった。寝る時には満天の星空になり明日の快晴が期待できた。(21日宿泊)
5. 日の出と常念岳
快晴の朝を迎えた。小屋横の高みに上がり日が昇るのを待った。東の空一面に雲海が広がっている。常念岳が黒いシルエットをなし雲海と空の境が赤く輝いてポチッと太陽が顔を出した。
6. 北穂高岳と富士山(2人のシルエットの上)
遠くに小さくではあるが富士山が見えていた。2分で太陽は完全に上がりまわりの山が赤味をおびた。4分も過ぎると山すそも染まりだした。昨日からデジカメが言うことを効かない。シャッターを一枚切ると次が落ちない。ズームは効かない。雨の雫でも入った為なのかも知れない。カメラ担当として申し訳ないが勘弁していただくしかない。
7. 槍ヶ岳
中岳の向こうに三角錐に突き出て槍ヶ岳がある。今日はあの穂先に登るのだ。頑張ろう。山に登って天気がよければどこの山でも富士山が見えないか・槍ヶ岳が見えないか探すのが常である。北アルプスでは勿論南アルプス・八ヶ岳・鈴鹿でもこれを探しているのだ。
8. ブロッケン
中岳の登りにかかる前には西の飛騨側から雲が湧き上がり東からの太陽により雲が幕になってブロッケン現象が見られた。虹の円の中心に自分の影のみが現れる。しばらくすると虹の円が二重・三重・四重になった。残念ながらデジカメの調子が悪くこの写真が精一杯であった。そのうちこの雲は尾根を越えて滝雲となって東に流れ始めた。水溜りには薄氷が張りやはり3000mの稜線であると思った。ときにイワギキョウ・トウヤクリンドウ・ヨツバシオガマ等も見れた。
9. 槍ヶ岳への山頂めがけて
大喰岳の山頂部は広くケルンが多い。槍ヶ岳が目の前にあるのですぐかと思いきや飛騨乗越へ急下降だ。肩の小屋まで登り返しいよいよ槍の穂先に登ることになる。上り・下りと分けて鉄の梯子や鎖があり見た目ほど危険は感じない。渋滞していないためかもしれない。
10. 山頂にて今回のメンバー全員で
山頂では360°の大展望だ。皆祠のところで記念撮影するのに順番を待っている。混雑する前に記念撮影が終わったらすぐ下山だ。
11. 南の展望
前穂北尾根の特徴のある各ピーク・奥穂・北穂やその前に昨日は展望が全得られなかった横尾尾根・滝雲の手前には先ほど歩いてきた中岳・大喰岳がある。
12. 坊主岩小屋から見た槍ヶ岳
リーダーのSMさんはどんどん飛ばす。4人は必死になって付いて行く。振り向くと槍ヶ岳がすばらしい形で見送ってくれていた。右には岩壁の下をトラバースするラインとその先に天狗原が見えた。今日は槍沢ロッジまでだ。(22日宿泊)19:00〜桂 綾子・聰子 姉妹によるフルートコンサートがあり談話室が一杯になった。

概念図はこちら

23日「あかんだな駐車場」近くの「神の湯」に浸かり帰路に着いた。ここの湯は野天風呂で山から湯が流され自然そのものである。これからこちらに来る時はここに立ち寄りたい。高山市街地に近い「じねんの里」の食事も気に入った。湯の山への途中にある店と同じ経営である。

反省点:靴・今回はアプローチシューズでのつもりでリーダにそのことを伝えてあったのだが当日の朝革靴を持って出た。革靴は7月に洗ってグリスを塗っておいたものだが洗ったとき中敷も洗いそのままになっていた。20日上高地から徳沢までの間に右踝の下が痛くなりリーダーにパットを張ってもらい踵の下に小さなタオルを敷き大分治まった。中敷を持たずに出てしまったのだ。21日天狗原への分岐でTYは引き返すと言ったもののHTさんが一緒にと言う。それでは申し訳ないのでゆっくり行くことにした。リーダーは使用しない装備を60台3人で持つように荷を軽くしてくれこれに甘えることになった。おかげで歩き通すことが出来た。靴の不備については最も注意していたことなのに本当に申し訳ありません。感謝しています。今後このようなことの無きよう注意したい。