野登山山行記 2010/01/14 Y.H

種別 個人山行  目的 トレーニング
山名 野登山(ののぼりやま) 山域 鈴鹿
日程 2010年1月14日(木曜日)
天候 快晴 
メンバー CL S木 SL Y本 Y井 計3名

行程
[名古屋西IC]7:52=[亀山IC]8:25=9:10[坂本登山口P]9:20・・・10:18[林道出合]10:30・・・11:20[野登寺]11:50・・・12:20[三角点(851.6m)]・・・12:30[国見ひろば]12:40・・・13:35[林道出合]13:45・・・14:15[坂本登山口P]14:25・・・15:06[片岡温泉]16:40=17:00[四日市IC]= [名古屋西IC]17:25

予定では、各務原の八木山三山の計画であったが、12日から岐阜県地方に降雪が続いており、低山とはいえ積雪もある上14日当日も降り止まないと言う予報なので、急遽変更をお受けいただいた。
私としては、具合の良くない右ひざのことを考えると各務原の低山の方が良かったのだが、思い切ってこの野登山に同行させていただく事にした。前回の各務原アルプスでも下半身の筋肉痛が酷かったので自信は無かった。

野登山と言うと、一昨年の夏、Y田さんについて矢原川からルートファインディングをしながら仙ヶ岳に上り、仙鶏尾根を通って野登山から降りたことがある。スタートすぐは、生まれて初めてのバリエーションルートであり、強烈な日差しの中の山行で大汗をかき、終盤に来て持ってきた2.5リットルの水が無くなり、かなりヨレヨレになりながらここを下った覚えがある。


登山口までの車のルートが不案内のためやや遠回りをしたが、何とか予定通り到着した。前回の下りでは、登山道と言うより野登寺(やとうじ)への幅広い参道で、落葉が多く大変歩きやすかったと言う記憶があった。「ゆっくり行きますからね」と言うY本さんの先導のお陰でかなり余裕ができた。要所に案内看板もあり、岩が少ないので歩き易い。ルートをはずれる可能性はほとんど無い。

快晴の好天ではあるが、少々風がある。出発時の気温は0度。私はフリースの下に薄手の下着2枚と厚手のシャツを着込んでいる。しばらく歩けば体温調整でフリースはザックにしまいこむ予定でいたのだが、それ程体温は上がらない、心持ち小汗をかいていたが、フリースを脱ぐ気にはなれない。顔に当たる風は冷たい。山頂の野登山最高点にあるNTTの電波塔とその直下にある野登寺まで続くドライブウェイ参道の中間点位の林道出合で休憩。中腹辺りから少し残雪が見られた。東の亀山市内から伊勢湾志摩半島方面の眺望が良い。

休憩後再び林道を越えて鶏足山(野登寺の山号)表参道を登り始めて5分くらいで、左の尾根上に何か小屋のようなものをS木さんが見つけたので行ってみる。作業小屋というより変電所のような建物の少し下に白いガードレールのようなものがあるので覗くと発電用の風車が倒してある。ガードレールに見えたのは風車の羽根だった。今は使われていないようだ。珍しいものを見た。


そのまま尾根道を登るとすぐに祠と古いお墓のようなものが並んであった。祠には、「歴史は語る 美濃源氏 土岐持頼の祠」と掲げられている。残雪もありしっとりと趣のある場所だ。この尾根上には少し雪が残っている場所がある。そこからさらに数分尾根沿いに上がると休憩所「夢創庵」の雪の庭に出る。ここからの展望も素晴らしい。「夢創庵」はこの時期は休業中のようだ。前回ここでからからの喉を潤させていただいたのを懐かしく思い出した。ここまでの残雪に人の足跡は無い。小動物の足跡ばかりである。


案内に従い参道を15分程上ると野登寺の石門のある駐車場に着く。「天然記念物 野登山のブナ林」の解説板があり、石門をくぐり抜けた先には幹回り5mもあろうかと言うブナの大木が何本も立ち並んでいた。そのまま野登寺へと先に進むと左が参道、右が登山道と分かれる寺門に着くが、いずれ野登寺の本堂で合流する事になる。登山道を行くと右には石囲いの小さなお堂の中に鎮座する石仏が幾つも並んでいる。誰か来ることもない本堂の前の階段に休憩場所を決め、それぞれにカップ麺に湯を注ぎ、昼食の準備。私だけ箸を忘れたので、本堂の脇の枯れ枝を折って、箸代わりとした。なかなか温まらない身体に浸みる旨いカップ麺となった。


ゆっくり食事の後、NTTの電波塔のある最高点に立ち寄る。ここの雪の吹き溜まりは20cm位の積雪になっていた。三角点への道は、林道を下る。三角点と国見の広場の案内標識があり、右の樹林帯に入る。葉の落ちた潅木の立ち並ぶ林を、結構深い残雪で薄くなった踏み跡をたどりながら5分位進むと、三角点に到着する。周りにある背の高い木立で展望は無い。小さな山名の標に高度が書かれている。三角点の石柱の頭が雪の上に出ていた。記念写真は帰りに撮る事とし、国見の広場に向う。進むこと数分で、よく晴れた日には、富士山をも見ることができると伝えられる「国見石」に出会う。北西の風がにわかに吹き始め、雪雲のガスが入道ガ岳に掛かり小雪も舞いだした。そのすぐ先に「国見のひろば」があった。なるほど小広い平らな広場である。突然の雪雲で眺望はなくなったが、小岐須渓谷からの一の谷コースの標識がいくつか立っており、ここへ上る別ルートが確認できた。


帰りはピストンだ。間もなくガスは晴れた。三角点での記念写真の後は、野登寺の山門までのショートカットのルートを採る。ここまで計画書の時間とほとんど変わらない。順調である。ただ帰りの下り坂だけが心配だ。S木さんが「時間も早いので慌てず、ゆっくり行きましょう」と言って下さる。不安を抱えている私が先頭で降りる事にする。登りは不思議なくらい足に負担は無かった。膝も大丈夫。下りは落ちている筋肉の分だけ膝が笑った。これもS木さんが勧めて下さったダブルストックの効用で酷い痛みになることは無かった。


下り始めは残雪をクッションとし、中程では積もった落葉のクッションに助けられた。ようやく駐車場にたどり着いた時間は計画書どおりであった。計画を立てられたY本さんが、私の足の遅れを計算して出した数字なのだ。皆さんのお気遣いに本当に頭が下がる。

私は、朝、温泉セットの準備を忘れて、スタートを遅らせた。温泉入浴も何ヶ月ぶりかで大変心地良いものであった。高速料金の通勤割引時間帯にあわせようとここでもゆっくり時間調整をして帰路についた。この日も素晴らしい山歩きをさせていただいた事に感謝。素晴らしい残雪と眺望とお天気に感謝。お二人にお気遣いいただいた事に感謝、感謝。
合掌