剱岳~別山尾根~

山域:北アルプス

日程:7月19日~21日

メンバー:I.S(記)、I.R、T.K、M.S

岩と雪の殿堂

登山者なら一度は憧れる山、剱岳。

3年前の夏、記は入会一年目で山岳会というものがよく分からない時期に先輩たちに連れていってもらった早月尾根。

天候不順・体力不足で正直ほぼ記憶がない剱岳。

記憶にあるのは、山頂で見かけたネズミにメンバー一同唯一テンションが上がったあの瞬間だろうか。

そんな過去の記憶を取り戻すべく、3年ぶりに剱岳へ行ってきました。

扇沢から

深夜から出発をし、朝7時過ぎに扇沢へ到着してみればすでに有料駐車場はどこもいっぱい。

下の方の無料駐車場へ駐車することが出来ました。

1時間30分強かけて、室堂へ。

最高の天気でメンバー一同、ワクワクが止まりません。

この頃はみんな元気で笑顔いっぱいだけど、はたしていつまでこの笑顔がキープされるのだろうか・・・

この日は一気に標高2,400mまで上がったので、高山病予防でゆっくりゆっくりと景色を堪能しながら歩きます。

雷鳥沢キャンプ場から先はコースタイム2時間30分ほどの登り。

途中、雪渓歩き・日影のないカンカン照りのルートなので、体力をなるべく削らないようにゆっくりと歩きました。

途中から淡々とした登りになるので、無になり目の前を歩く親子の永遠と続くしりとりを聞きながらなんとか剱沢御前小屋に到着。

ここまでくれば、今回の宿泊地劔沢キャンプ場まではあと45分ほど。

三連休の初日のためテントが多かったので途中より、早く歩けるIさんとTさんに先に行ってもらい、テントをたてられそうな場所を探しに行ってもらいました。

テントとテントの間に我々のテントをお邪魔させてもらい、少し早いけどご飯です。

食担のMさん、いつもどおりの安定のうっかりさんで今回は直前でメニューが変更されるハプニングはありましたが美味しかったです。

ご飯のあと、テント場がザワついており周りの人の目線の先を見やると、一頭のクマが歩いていました。

テント場には少し離れているものの、クマの移動範囲が広く登山道に下りたりと、こっちに来ないでと祈るばかり。

テント場管理人が空砲を打ってクマがキャンプ場へ近寄らないようにしばらく見張っており、大変ありがたい。

クマの様子を見るテント場の人たち。よく見るといつのまにかTさん空砲持ってる人に話しかけてる?

Day2

この日は剱岳へ行きます。

前夜は22時30分ごろ、遭難していた人が無事にテント場に到着したり深夜2時ごろから周りのテントが剱岳へ向かう準備をしていたりと、何度も起こされたものの混雑を避けるべくゆっくりめの起床でスタート。

剱岳の別山尾根

雪渓歩きを何か所か過ぎると剣山荘があり、小屋の裏側から劔岳へ登ります。

ここからはひたすら岩の写真ばかりです(だって、岩の山だもん)。

ここは問題なし
ここも大丈夫

一服劔に来ると、目の前にドーンと山がそびえ立ちますがこれはまだ前劔。

本峰は前劔の向こう側なので、剱岳の大きさを実感します。

「帰りはこの辺りしんどそうだよね~」なんて話しながら、前劔へと向かいます。

武蔵谷。下山時、ここから下りているパーティがいた。
ちょっ・・・セクハラの瞬間!?
後ろにはカメラ小僧たちが・・・
剱岳たのしんでます
さっきの吊橋より、こっちのがスリルがある
平蔵の頭。登りも下りもこわかった。
我々は下りてます

カニのたてばい

剱岳の別山尾根といえば「カニのたてばい」と「カニのよこばい」。

カニのたてばいは、クサリはあれどボルダリング等やっていない人には結構厳しいんじゃないかなっていう印象でした。

ここはロープを持っているTさんに先頭を変わり、登りました。

今年沢登りを始めたばかりのMさん。

疲労も相まってかカニのたてばいの取りつき方が分からず、Iさんにアドバイスしてもらいながら登りました。

Mさん以外はクライミング経験者ですが、クライミング未経験のMさんにはかなりこわかったのではと思います。

記もまだまだクライミング初心者で、出来る限りはクサリを使わないように・・・と登っていたら途中から難しくなっていき最後の方は苦戦しました。

Tさんセルフ取って、のぞきこんでます。
横からみると、すんごいところ登ってます

先に登ったTさんより「ちょっと大変だけど、笑顔ちょうだい!」と言われて・・・

剱岳むっちゃ楽しいっす
必死です。。。
そういうの恥ずかしいけん

I.Rさんのヘルメットにカメラを装着していたので、カニのたてばいの様子をどうぞ↓

※音量注意!Wi-Fi環境で見ることをお勧めします。

カニのたてばいを無事に抜けたものの、岩場はまだまだ続きます(だって、岩の山だもん)

ここも動画があるので、どうぞ↓

※音量注意!Wi-Fi環境で見ることをお勧めします。

行列の中を歩く

下山側にはカニのよこばいの待ち行列が出来ていました。

行列に見守られながら剱岳山頂直下まで歩きましたが、恥ずかしくて下を向いてついつい早歩きになります。

行列に並んでいる人たちに話を聞いてみると、登りではカニのたてばいでかなりの行列になっていたとか。

さすが三連休ですね。

剱岳

全員無事に到着しました。

この日はたくさんの人が登っており、色んなルートからも続々と人が上がってきます。

最高の天気で「下りたくないね~」なんて言いながらも、帰りも長いのでしっかりと休憩を入れたらテント場まで下山です。

カニのよこばい

もうひとつの難関「カニのよこばい」

上から見てもいまいち様子がよく分からないカニのよこばい。

直前でやっと様子があらわになります。

赤いペンキで足を置く場所にペイントをしていてくれているのがありがたい。

先に右足から下りないと、そのあと困るので要注意です(記は間違えて左足から置いたので、あれ?右足どうしよう?ってなり、一度上に登って足を置きなおした)。

下から見ると、すんごいところを歩いているのが分かります。

カニのよこばいのあとも、しばらくは気が抜けません。

カニのよこばいの様子も動画があります↓

※音量注意!Wi-Fi環境で見ることをお勧めします。

メンバーみんな、疲労感で無になりながらもひたすら続く岩の登り下りをこなし、なんとか剣山荘まで下りてきてほっとします。

途中、剣沢小屋に寄りビール等その日の晩酌を購入(Tさんは我慢できなくてここで500mlを1本飲み干す)。

前日の笑顔はいずこへ?
日焼けで赤いのか、ビールで赤いのか・・・
この日は味噌煮込みうどん
登った山を眺めておもいふける

Day3

この日はゆっくり起きて帰宅です。

ばいばい、剱岳
このあと、灼熱ロードを下山することをまだ知らない

日当たり良好、季節が違えば最高の山歩き・・・剣御前小屋から室堂までは日陰のない灼熱ロード。

「炭酸飲みたーい!」「アイス食べたーい!」などなど、下山後の楽しみを糧に頑張って無事に下山しました。

頑張って歩いたあとのアイスクリームは格別です

まとめ

2泊3日と余裕のある計画で剱岳の別山尾根へ行ってきました。

剱岳は思っていたよりも大きく、山頂が遠かったなという印象でした。

別山尾根は3年前に歩いた早月尾根に比べると、岩場の難易度は高めだなと感じます。

剱岳の別山尾根をこれから目指そうという方は、事前に岩場のある山での岩場登りの練習やボルダリングなど行っておいた方がいいと思います。

特にカニのたてばいやカニのよこばいは高度感がかなりあり、落ちたら一巻の終わり感が半端なかったです。

また、その他の岩場もそれなりに岩場技術が必要になるので、近場の山で練習してからチャレンジしてみてください。