試練と憧れ”早月尾根”~剱岳~

日程2022/08/27-28
山名剱岳
山域北アルプス
メンバーSY,TK,SY,IS,TK(会員外)
目的各自のレベルアップ(テント泊・長距離歩行・危険箇所通過)合宿

試練と憧れのルート「早月尾根」をテントを担いで行ってきました。

今回メンバーは全員剱岳は初めてということで、ドキドキワクワクの早月尾根に挑戦です。

雨の中歩き始める

前日の夜に出発し、2時過ぎに到着。

1時間ほど仮眠をして、4時前に起きて準備をしている間に雨が降り始めます。

「雨だ・・・やだな~」

と歩き始める前からの雨と寝不足でテンションが低いメンバー。

それでも、晴れることを信じて早月尾根へと向かいます。

馬場島荘の駐車場はそれなりに広さがあるけど、登山口前にもスペースがあり次々と登山口前に駐車していました。

馬場島荘の駐車場から5分ほどだけど、体力を温存したい人は登山口前の駐車スペースに駐車した方がいいと思います。

試練と憧れ」の石碑

早月尾根はここから始まります。

この石碑を見て、メンバー一同気が引き締まります。

1時間ごとに看板が現れる

早月尾根は標高200mごとに標高看板が現れます。

大体1時間ごとに現れるので、自分のペースの目安になるのではないでしょうか。

・・・目的地まであと何時間っていうのが分かってしまうので、精神的な疲労を感じるのかやる気が出るかはその人次第。

早月小屋まではひたすら樹林帯

登山口から初日の目的地である早月小屋までは、ひたすら樹林帯が続きます。

天気が良くないこともあり、切り開いた場所でもあまり景色が見えない中、飽きないように樹林帯での楽しみも見つけながら登って行きました。

うっすら見える雪渓を眺めて涼をとる

気温はそこまで高くなかったものの、湿気が多くて登っている最中はとっても蒸し暑い日。

なので、遠くに見える雪渓を眺めて「しっかりと雪が残ってるね」なんて話しながら、気持ちだけでも涼みます。

わたしを含めて全員、あの雪渓にダイブしたいと思ったはず・・・

うっっっすらと見えた景色に感動

遠くにうっっっすらと見える海にテンションが上がったり、うっっっすらと見える山々の合い間に流れる川に風情を感じたりと少しでも見えた景色に癒され(それを理由に休憩を少しいれる)、「綺麗だね」とお互いにテンションを上げ合いました。

わたしの本音は、とにかく少しでも休憩を取りたかった。

なので、ちょっとでも景色が見えたら「あ!海だ!」「あ!川が流れてる~!」と言って皆の注意を景色に持っていった作戦はうまくいったと思ってる・・・

可愛いお花に癒される

夏も終わりだったので、花は期待出来ないかなと思っていましたがまだまだ元気に咲いてる花たちもいました。

「わ~!可愛い!」と言って花にカメラを向けることで他のメンバーも花にカメラを向け始めるので、疲れてきたころにこの作戦をしたのは大正解。

サンショウウオを頑張って愛でてみる

早月小屋まであと1時間くらいっていうところで、池が出てきました。

TKさん(若い方)の話によると、この池にはサンショウウオが生息しているってことだったので池の中を覗いてみます。

・・・水が濁っていたのと、サンショウウオが思いのほか下に沈んでいたので綺麗に撮れませんでした。

オタマジャクシがちょっと成長したくらいのサイズだったので・・・うーん。

他のメンバーもサンショウウオについて感想は何も言っていなかったので、きっと心の中で愛でていたことでしょう。

ハシゴとクサリ場

早月小屋が近くなってくると、ハシゴやクサリ場が出てきます。

ハシゴやクサリ場は写真で見るよりも登りやすくて、滑りにくい感じでした。

早月小屋のテント場で宴会

雨も降っていたこともあり、SYさんがテントの受付をしている間にジャンボテントをちゃちゃっとたてました。

この日のテント場は私たちのほかにあと1組がテント泊してるくらいでとても空いていたので、広々と使用させて頂きました。

テントをたてたら、早月小屋で飲み物を購入して宴会です。

宴会が始まってほどなくすると、雨が強く降り始めたのでテント内で酒を片手に山について山岳会メンバーについて色々と語り合いました。

酒も底をつくと、ここまで登ってきた疲れが出てきたのと外は雨だったので1時間ほど仮眠を取ります。

食担渾身のテント飯

今回食担だったSYさん。

SYさん渾身のテント飯「タコライス&ワカメスープ」を振舞って頂きました。

タコライスは市販のソースをあっためるだけだと思っていたのですが、SYさんこだわりでソースから作ったタコライスはなんとも絶品!

作っている最中からスパイスと肉のいい匂いでメンバー全員、よだれが止まりません。

タコライスソースのスパイスと、トマトの組み合わせにワカメスープでスッと流すことが出来るのでさっぱりと食べることが出来るメニューでした。

いつも山では食欲が落ちてしまうという食担プロSYさんなだけあって、テント飯のチョイスは最高です。

まだあつた山岳会メンバーではないそこのあなた!

SYさん特製のタコライスのレシピが気になっている人はぜひ一度、事務所に見学に来てください!

あつた登山学校開校のお知らせ!

2日目は剱岳山頂へ

夜中じゅうずっと雨が降っていて、3時に起床したときにも雨が降り続いていました。

出発準備をしつつも、山頂へ向かうのかこのまま下山するのか少ない電波の中で雨雲レーダーとにらめっこした結果、この後は天気がいい方向へ向かいそうとのことで山頂へ向かいます。

まだ暗い中、ヘッドライトをつけながらお互いの灯りで道を照らし合いながら歩いていき、樹林帯を抜けるころには空が明るくなってきました。

序盤のクサリ場

山頂へ向かうほど、クサリ場はどんどんと現れます。

序盤のクサリ場はクライミング未経験のISも難なくクリアです。

下山では「コワイコワイコワイコワイ」の連発でしたが・・・

ガス多めでも1日目よりも綺麗な景色

雨はやんだものの、雲は多めです。

それでも雲の合い間から見せてくれる景色はとても綺麗で、足を止めてついつい見とれてしまいます。

いい休憩時間だわだなんて心のなかでオモッテイナイ・・・

ヘルメットとチェストハーネス装着

事前に勉強会で危険個所の通過を予習してきたメンバー。

ここから先は危険なクサリ場が待ち受けるので、安全確保のためヘルメットとチェストハーネスを装着します。

危険なクサリ場

ここのクサリ場は滑りそうな斜めの岩のうえに左側は崖になっているので、ヒヤヒヤしながらの通過です。

下山時はセルフビレイで安全確保しながら、通過しました。

カニのハサミ

カニのハサミはそこまで危険ということはありませんが、最後のボルトに乗る部分が気を付けないと滑落してしまいそうな感じでした。

右側の写真がその場面です。

青いレインのSYさんがあの位置から赤丸の位置にあるボルトに乗る場面ですが、クサリが低い位置にある上に周りの岩が少し出ているので足が長くない人にとってはこのボルトに足を乗せる時には勇気がいります。

クライミング未経験のISはここで「コワイ」を連発しました。

カニのハサミということもあって、みんな一斉にカメラを構えてSYさんが通過する場面の写真を撮り始めます。

TKさん(丸い方)は皆が写真撮りやすいように、しゃがんで皆が写真を撮り終えるのを待ちます。

うわっと、みんなカメラ構えてる!
みんな写真撮り終わった?

山頂までは登って登って登ります

山頂直下はひたすら登りが続きます。

山頂が近づくにつれて、ガスも濃くなってきたので山頂はまだかまだかと思いながらひたすら登って行きました。

無事に剱岳山頂に到着

山頂はすっかり真っ白だったので、景色は心の眼で楽しみました。

山頂でおのおのご飯を食べたり写真を撮ったりしていると、なんとなんと山頂にネズミが現れました。

すばしっこくて写真に収めるのが難しかったですが、TKさん(常に酔っ払ってる方)がバッチリと写真を撮ってくれました。

気を付けながら無事に下山しました

山頂に到着したものの、ここから馬場島荘の駐車場まで下山をしなければなりません。

ここまで登ってきた疲れもあるので、気を付けて下山して行きます。

かなりタフで疲れ知らずのTKさん(常に酒の香りがする方)が、下山中に何度か滑って転んで滑落してケガをしそうな場面もいくつかありました。

そのせいか、下山中には珍しく「疲れたな~!」となんども言葉にしていたので、早月尾根は試練の道なんだなと改めて感じました。

天気があまりよくなかったものの、メンバーが誰もケガすることなく無事に下山することが出来たのでとても良かったと思います。

今回はテントで挑みましたが、小屋を使用すれば体力が温存することが出来るので早月尾根にチャレンジしたい人はぜひチャレンジしてみてください。