テント泊教育(実技)~涸沢・北穂高~
日程 | 2023年7月29日~30日 |
山名 | 北穂高岳(涸沢テント泊) |
山域 | 北アルプス |
メンバー | CL/S.Y(長距離山行好きだけど、夏はやっぱり沢)、I.R(朝2回のトイレは欠かせない)、K.D(沢が楽しくなってきたぞ)、I.S(書き手 へっぽこ2年生)、H.Y(初めてテント装備担ぎます)、K.B(企画者、楽しいこと大好き体力オバケ)、Y.K(会話は全て岩の話です)、T.T(そこいらの男には負けぬ)、I.M(泥壁の女王)、N.K(レンガ王子)、K.H(欠席 水の妖精) |
テント泊の教育の実技で、涸沢でテント泊して北穂高岳へ登ってきました。
総勢10名(1名欠席)です。
天気が味方をして、最高の景色を眺められた山行となりました。
様子を動画にもしたので、良かったら最後の方にリンクした動画もご覧ください。
小梨平キャンプ場で全員集合だよ
車3台に分かれて上高地へ向かい、前日入りして小梨平キャンプ場でキャンプをしたN号。
前日21時に金山駅で集合した、Y号とI号。
小梨平キャンプ場で、全員が集合しました。
ここで、共同装備を渡し合って装備を整えます。
Y.Kさん、K.Bさん、K.Dさんはテントの場所取りをするために先行で歩きます。
先行パーティの様子・・・
先行パーティのリーダーはK.Bさん。
お盆にはバリエーションルートの合宿に参加するとのことで、今回はトレーニングも兼ねています。
徳澤園でトイレ休憩をして、そのあとは横尾を通り過ぎて本谷橋も通り過ぎようとするK.Bリーダー。
さすがにK.Dさんが「休憩させてください」と申し出て、なんとか休憩をさせてもらえることに。
Y.Kさんいわく、「なかなかスパルタなリーダーでした」とのことです。
まずは明神へ向けて
小梨平でパッキングをしたら、まずは明神へ向けて歩きます。
みんな、久しぶり&初めてのテント泊ということもあり、ワクワクして歩がどんどんと進みます。
あまりにも速いので、I.Sは思わず「速いです・・・」と息も絶え絶えに皆さんを落ち着かせました。
小梨平から40分ほどでしょうか、明神に到着です。
徳澤園・横尾
徳澤園・横尾ともに予定タイムを巻いて到着しました。
横尾に到着すると、元会員のKさんと遭遇するという出会いもありました。
懐かしい元メンバーとの交流を楽しみつつ、身なりを整えて本谷橋へ向けて出発です。
屏風岩
屛風岩を眺めては、写真をたくさん納めていたH.Yさん。
今年あつたメンバーになったH.Yさんはいつか屛風岩を登ってやると1人ひそかに心に誓っていたのでしょうか・・・。
本谷橋をサクッと通過
天気の良い土曜日ということもあり、本谷橋はたくさんの人で賑わっていました。
わたしたち一行は本谷橋手前の木陰で少し休憩をしたので、本谷橋では各々タオルを水で濡らしてすぐに出発です。
涸沢手前の沢で、水浴びでクールダウン
涸沢まであと少しというところで、なんとも気持ちよさそうな沢の音が聞こえてきました。
他の登山者がとても気持ちよさそうに水浴びをしていて、それを横目に歩きます。
メンバー全員「あの水触りてぇ~」と心に思いつつ、リーダーの合図がない限りは勝手な行動は出来ない我々。
そこで、ベテランのI.Mさんが「ちょっと、水触っていいかしら?」と言ってくれたお陰でその言葉を合図にメンバー一同一斉に沢に向かって一直線です。
「あぁ~ 冷たくて気持ちいいぃぃぃ~!!」
気温も高く、日差しも強かったので雪解け水はとっても冷たくて火照った体を癒すことが出来ました。
涸沢でテント設営
無事に涸沢のテント場に到着して、先行して場所を取ってくれていた3人と合流してテントを設営します。
テントの設営の仕方は机上で、予め勉強をしていたので比較的にスムーズに設営が出来たのではないでしょうか。
テントを設営したら、お楽しみ宴会開始です。
涸沢ヒュッテで大宴会
各々の車の様子や、パーティでの様子など色んな話をつまみにお酒が進みます。
お酒もひと段落して、明日登るルートを目視で確認しました。
美味しい夕飯
宴会を終えて、テントまで戻って来たらみんなでご飯の準備をします。
今回の食担はプロキャンパーK.Dさんとレンガ王子のN.Kさん、サブ食担に泥壁の女王のI.Mさんです。
いい感じに酔いが回っているメンバー達は、食担よりも率先してご飯を準備し始めます。
この日の夕飯は
カレー
海鮮炒め
春雨サラダ
みんなで頑張って作ったご飯をみんなで食べる。
これもテント泊の楽しみの一つではないでしょうか。
ご飯を食べたら、みんなで片づけて明日に備えて早めに床に就きました。
2日目
夜中の2時半ごろ起床して、3時30分北穂高岳に向けて出発です。
歩き始めはまだ真っ暗だったものの、少しずつ空が明るくなってきました。
クロユリスラブ
最初の難関、クロユリスラブです。
スラブ状の岩ですが、足や手をひっかける場所は多いので落ち着いて登れば大丈夫です。
余談
クロユリスラブで後ろのメンバーから訴えがありました。
H.Yさん「I.Rさんがトイレ(大)に行きたいそうです!!!」
I.Rさんは北穂高岳山荘まで無事にトイレが我慢出来たのだろうか・・・
モルゲンロート
クロユリスラブを登ったころには太陽も出てきて、涸沢カールが赤焼けてきました。
歩を止めてしばし景色を堪能します。
パーティ編成
歩き始めて1時間ほどでしょうか、安全な場所で休憩を入れます。
じつはクロユリスラブより前から頭が痛くなってきたI.S。
水分を摂って様子を見ていたものの、ここに来て頭痛が強くなってきたことと吐き気が出てきたのでこれ以上登ってもいい事は無いなと判断し、下山をリーダーに申告しました。
リーダーのS.Yさんが付き添って下山をしてくれるので、パーティ編成をして2名以外は北穂高岳を目指します。
余談ですが、S.Yさんの指示で経口補水液を飲んだのですが高山病の時に飲む経口補水液は「なんと美味しい飲み物なんだ・・・」。
経口補水液が美味しいと感じる時は体調に異常があるので、自分の体調をはかる指標になるんだななんて思いながら皆さんを見送って下山しました。
ということで、ここから先の様子ははわたしは分からないので皆さんから聞いた話をもとにして、話を進めていきます。
ちなみに、涸沢まで無事に下山したI.Sはケロッと元気になり、S.Yさんとテントを撤収させつつ涸沢の景色をのんびりと堪能して皆の帰りを待っていました。
岩場・クサリ場を楽しむ
この日も最高に天気の良い1日。
太陽が出てきて気温が上昇してくると前を歩くパーティではN.Kさんが終始、
「暑いぃぃ~ 暑いぃぃ~」
と掛け声なのか、はたまた呪文を唱えているのか分からない声がメンバー全員に伝わります。
一方で、パーティ編成をして後続パーティの先頭を任されたI.Mさんは植物にとっても詳しい。
パーティメンバーに高山植物を教えながら歩くものの、メンバー一同は初めて聞く名前に頭がいっぱいでなんとか覚えられた植物の名前は2つほどでしょうか・・・
少しずつ高山植物を覚えたいなと心に誓います。
ライチョウ親子に遭遇
山頂手前でライチョウ親子に遭遇しました。
一週間前にもトレーニングで北穂高岳に来ていたK.BさんとY.Kさん。
一週間前に同じ場所でライチョウカップルを見ていたK.Bさんが興奮をして、
「先週の夫婦のヒナだ!」
と言っていたけど、さすがに雛が生まれるのは早すぎるのではないだろうか・・・とY.Kさんは心の中で1人突っ込んだとか。
そんな二人のやり取りの一方、今回写真係のH.Yさんが必死でライチョウ親子を写真に収めようとしますが岩と同化したライチョウはカメラ越しだと見つけられなくて全集中の呼吸で写真を撮ったようです。
北穂高岳
2名下山しましたが、無事に北穂高岳に登頂しました。
北穂高岳にある北穂高岳小屋といえば、ハンドドリップコーヒーの北穂ブレンドが有名。
ということで、皆でコーヒーを頂きます。
みんながブレンドコーヒーを飲む中、レモネードを飲むN.Kさん。
「暑いぃぃ~ 暑いぃぃ~」と呪文を唱えていたN.Kさんは、レモネードを飲み干してまだ氷が残っているグラスに水を注いで暑さをしのぐ。
その姿はまるで野球中継を見ながら焼酎をあおっている父親の姿のよう・・・。
コーヒー(I.Rさんはトイレ)を堪能したメンバーは、この後も上高地まで下山しなければならないので早々と下山します。
涸沢に無事下山
岩々した登山道は下山にも時間はかかります。
安全を期して、ゆっくりゆっくりと下山していきました。
涸沢でみんなが降りてくるのを待っていたI.SとS.Yさんは、「もうそろそろ、皆下りてくるよね~」と話しつつ北穂高岳を眺めて待ちます。
すると・・・
I.S「あ!!あの、黄色に青色に赤色はみんなですよ!」
S.Yさん「信号機かよっ!!!」
メンバーがみんな揃って、クロユリスラブを下りている姿を確認することが出来ました。
みんなが揃って下りてきていることにほっと胸をなでおろしながらも、みんながテント場まで下りてくるのを待ちます。
上高地までちょっと慌てて下山
無事にみんなが涸沢まで下山をしてきて、ジャンボテントだけみんなで片づけてパッキングをして休憩もほどほどに、上高地に向けて下山しました。
だがしかし・・・
北穂高岳に登って膝を痛めてしまったN.Kさんと、岩に膝を打ち付けて痛めて片足を引きずりながら歩くH.Yさん。
2人のペースが上がらず、途中からみんなで2人の荷物を持って歩くことに。
15:00 横尾に到着
I.Mさんがバスの時間とタクシーの最終時間の情報を得てくれました。
この日のバスの最終が16:50、タクシーが18:00で終わってしまうとのことです。
横尾から上高地のバスターミナルまでコースタイムで3時間。
みんな無事に上高地から脱出することが出来るのだろうか・・・
ここからはパーティを崩して、はやく歩ける人が先に行きタクシーを捕まえておこう作戦です。
本領を発揮したのはリーダーのS.Yさんと、そこいらの男性よりも歩けるT.Tさん。
2人の歩行はまるでランニングをしているかのよう。
爆速歩行で2人がタクシーを引き留めてくれることになりました。
(横尾から上高地のバスターミナルまで1時間50分で歩いたとか・・・)
みんな一生懸命歩き、なんとか18時までにはメンバー全員が上高地バスターミナルに到着して無事に帰宅することが出来ました。
タクシーの運転手に聞いたところ、釜トンネルが閉まるのが20時なのでタクシーは19時30分ごろまで上高地まで上がるとのことでした。
まとめ
初めて涸沢に行くメンバーや涸沢は何度目かの慣れたメンバー、初めてテント泊をするメンバーで行ってきました。
・テント教育の実技なのに、テントでの生活の教育が主体で出来なかった
・テントの荷物を担いで歩くこと、テントを起点に山行を行うという教育&体験が出来た
など、賛否両論な意見があるのではないでしょうか。
教育を受ける側はもちろん、教育をする側もプロではありません。
今回の経験を踏まえて、今後の教育に活かして皆で会を高めていくのだと思います。
先輩から後輩へ、技術や知識を受け渡していってそれが何年・何十年と山を愛する人間が続いていくことでしょう。
※音が出るので音量に注意
余談・・・
上高地までは3台の車が別々に入りました。
その様子を暇な人はご覧ください。
前日28日の様子
今回は10名とのことで車3台です。
N号・Y号・I号の3つの車に分かれて、車ごとで前夜を思い思いに過ごしました。
N号の様子
書き手I.Sが乗車させてもらったN号は、28日の午前10時30分に出発し上高地入りして小梨平キャンプ場でまったり過ごそう作戦です。
朝10時30分に出発して、小梨平キャンプ場に到着したのは17時・・・
・・・名古屋から上高地ってこんなに遠かったけか?
東海北陸自動車道に無事に乗ったN号は、話に夢中になっていたら飛騨清見I.C.をサラッと通り過ぎます。
白川郷で合掌造りを見ようかなんて言いながらも、無事に飛騨清見I.C.まで戻ってさわんど駐車場を目指しました。
平湯に近づけば近づくほど、どんどんと天気が悪化していき、平湯に着くころには、土砂降りで雷がピカピカゴロゴロしてます。
平湯から釜トンネルへ向かう予定が、Googleマップの案内によって安房峠越えの旧道へと向かうことに。
対向車とのすれ違いが難しいほど狭い旧道を土砂降りの雨でワイパー全開で全く前が見えない状態で進んでいきます。
N.Kさん「前が見えないー!!!」
I.S、I.Mさん「・・・!!!」
釜トンネルが出来る前は上高地に行くのに使用されていた旧道。
昔の人に思いを馳せながら・・・いえ、そんなことは全く考えず車が崖に落ちないように必死に旧道を走ります。
さわんど駐車場に着くころには雨も上がって、なんとか最終のバスに間に合いました。
小梨平キャンプ場に17時に到着して、ササッとテントを設営してキャンプ場のお風呂を堪能してあとはテントでまったりと過ごして夜を過ごしました。
Y号の様子
I号と一緒に28日の21時に金山に集合したY号。
急遽欠席を判断したK.Hさんと、計画が急遽変更したので金山駅に駆け付けた教育部長のS.Yさんが金山駅でお見送りをしてくれました。
S.Yさんは、サンダル・短パン・仕事用のザックといういで立ちです。
S.Yさん「ライト&ファストで自転車で後から追います!」
とのことでしたが、ここは丁重にお断りを。
0時ごろ、平湯バスターミナル前のタクシー会社の駐車場してそこでテント泊をしました。
Y.KさんのテントにY.KさんとK.Bさんが、K.Dさんは自分のテントで就寝することに。
だがしかし・・・
K.Dさんのテントは4~5年ぶりに開くものの、ポールが壊れているというハプニングがありました。
でも、そこはプロキャンパーのK.Dさん。
いつのもごとく、冷静沈着にサササッと応急処置を施して就寝しました。
これで安心かと思いきや、車通りが多くてなかなか寝付けられず。
せっかく前日入りしたのにも関わらず、寝不足で眠たい目を擦りながら上高地へと向かいました。
まさかこの後、K.Bパーティリーダーによってキツい山行を強いられることになるとは露知らず・・・
I号の様子
28日の21時半ごろ、無事に名古屋を出発。
道中は、S.Yさんが久しぶりのテント泊でテンションが高いのか、はたまた何か思いを抱えているのかひたすら喋る喋る。
マシンガントークとはこのようなことなのか・・・。
静かになったと思ったら、S.Yさんは思いが途切れたのか電池が切れたオモチャのように眠りについていました。
さわんど駐車場のところにある「ともしび」というゲストハウスをS.Yさんが予約をしていたので、ここで布団を借りて仮眠を取ります。
だがしかし・・・
予約したものの中は真っ暗で、大部屋に行けば人なのか?はたまた見ては行けないものなのか?部屋に転がっているものを踏まないように跨ぎながら必死で自分たちの布団を探す探す・・・
無事に見つけた布団で寝たおかげか、I号メンバー一同はすっきりとした気分で上高地へと向かいました。