春合宿 鈴鹿セブンマウンテン縦走
日程 | 2023年5月3日~5日 |
山名 | 鈴鹿セブンマウンテン(藤原岳・竜ヶ岳・釈迦ヶ岳・雨乞岳・御在所岳・鎌ヶ岳・入道ヶ岳) |
山域 | 鈴鹿 |
メンバー | CL/S.Y、T.K(元会員)、I.S(書き手)、M.T、S.Y、T.K、O.H(元会員) |
昨年から温めていた鈴鹿セブンマウンテン縦走に行ってきました。
セブンマウンテンに挑むは7人衆。
最高齢は70代の女性です!元気です!
熱中症者が出たり、予定テント地まで辿り着けなかったり、体力オバケのT.KさんやS.Yさんがまさかまさかの失速をしたりとハプニング続きのセブンマウンテン縦走でしたが全員そろって無事に完歩することが出来ました。
天気よし!で、たくさんの花々が咲いていた最高の鈴鹿セブンマウンテン縦走。
長文ですがその様子をぜひ、ご覧ください!
1日目
一座目、藤原岳
前日に藤原岳の大貝戸登山口駐車場に集合。
24時前から続々と1DAY縦走の人々が出発されていました。
そんな中、私たちは軽く宴会をしたら縦走に備えて就寝します。
夜中3:30頃に到着したメンバーは、大貝戸登山口駐車場が満車で駐車することが出来なかったので別の駐車場へ駐車することに。
雲ひとつない晴天の中まずは藤原岳へ出発です。
序盤は、みんな元気なので話しながら歩いたり咲いている花に癒されたりしながら山頂を目指しました。
8合目に到着して、気温がだいぶ高くなってきたけどまだまだ元気なメンバーたちは冗談を言い合いながら最高の青空に笑顔ももれます。
なんなく、9合目・藤原山荘へと到着し少し休憩をとったら、一座目の藤原岳山頂へと向かいました。
8:35 一座目、藤原岳ゲットです!
山頂で写真を撮ったら、二座目の竜ヶ岳へと向けて歩きます。
二座目、竜ヶ岳
藤原岳からの下山は急で滑りやすい坂を下っていくので、気を付けて下山していきます。
治田峠までは細かくアップダウンを繰り返しながら少しずつ標高を下げていきました。
メンバーひとり、熱中症
気温が上がっていき、治田峠まで下っていき、そこから竜ヶ岳へ向けてアップダウンを繰り返しながら少しずつ登ります。
この頃になると、気温も上がっていきこまめに水分を摂らないとキツくなってきました。
するとずっと先頭を歩いてみんなを引っ張っていたメンバーの歩く速度が遅くなり、異常に汗をかいていて様子がおかしい・・・
15分ほど寝て休憩を取りたいとのことだったので、15分ほど休憩をいれます。
15分ほど休憩をいれて竜ヶ岳へ向けて歩き始めます。
だがしかし、休憩をいれたもののどうにも歩行速度が上がらない・・・
その間にも気温も上がってきたうえに、風も止んで体感気温はかなり高くなってきます。
1時間後、休憩を入れたときに彼の様子を見にいったリーダー。
「T.Kさんがなんか熱中症っぽい」
たまたまリーダーが経口補水液の粉を持っていたので、それを飲ませて30分ほど様子をみることに。
ここで、T.Kさんが回復しなかったら下山をするとリーダーが判断します。
経口補水液を飲ませて30分ほど休憩を入れたら、元気になったT.Kさんに笑顔が戻ったので再び竜ヶ岳へ向けて歩きます。
T.Kさん「経口補水液がすごく美味しく感じて、ごくごく飲みました」
余談
回復して元気になったT.Kさんの元に皆が集まるものの・・・
S.Yさん「ねぇ・・・Tくん・・・ランチパックつぶれてない?さっきからザックの上に座ってるけど・・・」
O.Hさん「ランチパック救出しなくては!ランチパック私が持つわ!!!」
ランチパックとは、次の日の皆の朝ごはん。
1つだけペッッッッタンコになったランチパックがあったものの、残りのランチパックはまだ無事だったのでここからはO.Hさんがランチパックを持ってくれることに。
O.Hさん「このつぶれたランチパックは明日皆でじゃんけんね」
アップダウンを繰り返しながら、標高を上げていき竜ヶ岳の稜線に出ました。
13:30 二座目、竜ヶ岳山頂に到着です。
竜ヶ岳山頂はたくさんの人でにぎわっていました。
たくさんの人の前でちょっと恥ずかしいけど、会旗を出して竜ヶ岳山頂ゲット写真!
ここまでアップダウンを繰り返して長い距離を歩いたメンバーは、疲れているので会話が少なく竜ヶ岳山頂で休憩をします。
こんなときでも最年長のO.Hさんはとにかく元気!
竜ヶ岳山頂で20分ほど休憩をとったら、石榑峠の方へと下山していきます。
石榑峠方面はザレていて、急坂なので注意しながら下山していきました。
石榑峠で水を汲む
石榑峠に下山すると、ここには綺麗なバイオトイレが設置されていました。
ここのトイレを借りて、休憩がてら少し下って水を汲みます。
水を汲んで休憩を取ったら、今日のテント地の八風峠へ向けて出発です。
皆だいぶ疲れが溜まってきたので、重い腰を上げてここからは気力で歩きます。
石榑峠の柵を超えて坂を登ってくると、とても綺麗な広場が出てきました。
昔ここに鉄塔が建っていたとか・・・
1日目のテント
石榑峠からしばらくは比較的に歩きやすい登山道が続きました。
気持ちが良いルートが続いて最高!と思ったのも束の間・・・
三池岳までは結構な急登がいくつか続きます。
藤原岳から歩いてきて疲れているメンバーたちは徐々に足が遅くなっていきます。
ここにきて、あつたで1~2を争うほど体力があるT.Kさんと、縦走に向けてトレーニングを積んできたリーダーのS.Yさんの二人の様子がおかしい・・・
T.Kさんはジャンボテント本体+ザイルの共同装備+4ℓの水を担いでおり、S.Yさんは石榑峠で料理分の水をたくさん汲んだので三池岳への登りで2人の足が急に遅くなります。
たまらず、S.Yさん(女性)が「そんなに持てないけど、荷物持ちますよ。共同装備ないしうにゃうにゃ・・・」と申し出るものの、T.Kさんは男を魅せてくれたので最後まで荷物を担ぎあげてくれました。
ちなみに書き手I.Sは「持ちますよ」の「も」の字も言葉には出ませんでした。
17:20 三池岳までの続く登りと、メンバー全員の体力の限界と、タイムアップということで当初は八風峠でテントの予定でしたが、三池岳手前の広場でテントを張ることとしました。
テントをたてたら、早々にご飯とします。
この日の食担はT.Kさん。
家でたくさんの野菜を切って下ごしらえをして、今回のために豊根村にどんこを採りに行ったというT.Kさんこだわりのどんこの入った焼きそばを頂きました。
T.Kさんの焼きそばはとても美味しかったです。
T.Kさん、今度は元々予定していた味噌煮込みうどん楽しみにしています。
次の日は今日たどり着けなかった分を歩くことになるので予定よりも1時間はやい4時に出発することに。
3時起きになるので、ご飯を食べたらすぐに就寝しました。
2日目 ビール売り場へ向けて・・・
3時に起床して、テントを撤収したらまずは八風峠に向けて出発です。
八風峠までは細かいアップダウンをいくつか繰り返して、およそ1時間で到着です。
4:50 八風峠到着。
朝食と皆の朝のトイレ時間を含めて25分ほどの休憩を取りました。
2日目は御在所岳の営業時間内に御在所岳に到着して、自動販売機でビールを買うというのが目標です!
メンバー皆、朝から御在所岳に営業時間内に到着するぞ!と意気込んで歩きました。
朝から歩く速度も速めでビールへの情熱がそうさせるのか・・・
はたして、この速度は最後まで続くのだろうか・・・
三座目、釈迦ヶ岳
釈迦ヶ岳へは細かくアップダウンを繰り返しました。
7:00 八風峠からおよそ2時間で三座目、釈迦ヶ岳に到着しました。
皆、頭の中はビールのことでいっぱいなので、休憩もほどほどにはハト峰へ向けてすぐに出発しました。
釈迦ヶ岳からすぐに・・・
本日の目的地でもあるビール売り場・・・もとい御在所岳が思っていた以上に遠いことにメンバー全員愕然とします。
ここから誰ともなく、
「鈴鹿セブンじゃなく、鈴鹿シックスにしない?雨乞岳は鈴鹿から外そうよ」
と、雨乞岳をなくしていち早くビール売り場・・・御在所岳に行きたいとメンバーの間でそんな気持ちが伝染していきます。
しかし、誰よりもこの縦走への思いが強いリーダーのS.Yさんは「何言ってんだ?」という顔でこの意見は速攻で却下しました。
ハト峰までは気持ち良きルート
釈迦ヶ岳からハト峰までは細かくアップダウンはあるものの、景色を見ながら歩くことが出来るのでとても気持ちがいい道です。
7:30 にゃんこ岳(猫岳)に到着です。
8:50 ハト峰に到着です。
ハト峰峠に着いたら休憩を取りつつ、水をここで汲みました。
ここからは、トレーニングで来たときと同じルートを歩きます。
だがしかし・・・
ビールのことで頭がいっぱいなメンバーたちはここでも「雨乞岳は外して御在所岳に行きたい」とぼやきます。
四座目、雨乞岳
この日も朝から気温が高めで、ハト峰で汲んだ水もどんどんと減っていきます。
中峠・根ノ平峠を越えて雨乞岳の沢が出てきたら、リーダーのS.Yさんが「水を汲んでいくので、先に行っててください」とひとりで水を汲みにいきました。
その言葉を聞いていたのは書き手I.Sだけだったので、リーダーがいなくなったことに気づかないメンバーたちはかなりの速度でグングンと歩いていきます。
リーダーが消失してから15分ほどでしょうか・・・メンバーがリーダーがいなくなっていることに気づきます。
この先の沢で水を汲む予定だったので、先に行った方がいいのか、待った方がいいのか迷っているとベテランのO.Hさんが「離れすぎててもダメだから、姿が見えるまで待ちましょう」と判断をしたので水晶谷の少し手前でリーダーを待つことに。
5分ほど待っていたらリーダーも無事に追いついて合流出来たので、水晶谷で水を汲むこととしました。
ここまでかなり飛ばして歩いてきたのと、暑さと前日からの疲れでメンバーたちは無言で各々水を汲んで休憩を入れました。
沢の水で体を冷やしたら、杉峠に向けて歩き始めます。
13:15 杉峠に到着です。
ここで少し休憩を入れたら、雨乞岳に向けて急坂を登ります。
みんな疲れて、無言で足元を見つめながら歩いていると足元には可愛らしい花々が咲いて応援をしてくれてました。
13:50 四座目、雨乞岳到着です。
だがしかし・・・
雨乞岳に着いたのが14時ごろ。
御在所岳の最終ロープウェイ時間が17:20。
皆の疲労具合で、あと3時間で御在所岳に到着させるのは難しいのではと話し合います。
下見したとおり、雨乞岳の下山途中で見つけた広場でテントを張るか武平峠まで下ってしまうかと話し合いもののこの先みんながどのくらい歩けるかが予測がつかないので、まずは御在所岳との分岐の沢谷峠まで行って様子を見ることとします。
14:25 東雨乞岳に到着です。
御在所岳の営業時間に間に合う少ない希望を胸に、沢谷峠まで下山をしていきました。
16:20 沢谷峠に到着です。
計画では14:50ごろにここに到着する予定でしたが、1時間30分遅れです。
ここから御在所岳まではコースタイムで1時間30分ほどだけど、皆の疲れ具合から頑張って歩いても2時間はかかるだろうとのことでテント地をどこにするのか、皆で話し合いました。
雨乞岳の下山途中でテントを張ってもいいけど、次の日に御在所岳まで上がるのが大変になるからということで、武平峠まで頑張って下山する結論が出ました。
2日目のテント
17:15 武平峠登山口に到着です。
疲れきった体を引きずって、武平峠登山口付近にある広場でテントを張ることとしました。
2日目の食担は、S.Yさん(沢でも岩でもなんでもやりまっせ)。
鍋にアルファ米とヤマモリの「釜めしの素」と焼き鳥の缶詰・舞茸・油揚げを入れて煮込んで作る、「炊き込みご飯」とモヤシ入りの「ワカメスープ」です。
S.Yさんのテント飯は普段のご飯で使用している味の素をうまく利用したご飯を作るので、食べ馴染みがあり美味しいのでいつもとても勉強になります。
焼き鳥の缶詰も入っているので、味が濃いめでそれがまた食が進みました。
ヒルの襲来!?
リーダーのS.Yさんが突然
「ん?おや??これは!?くぁwせdrftgyふじこlp・・・」
ヒルがテント内で出没しました。
沢で水を汲んだときに、誰かの服にくっついてきてしまったようです。
見つけたS.Yさんがヒルをテントの外の遠くに放してくれました。
色んなことがあった2日目もご飯を食べたら早めに就寝をして、残す3座のために体を休めます。
3日目
2:50 起床、朝食は食べやすく、スープです。
チャチャっと朝ご飯を食べてテントを撤収させたら、トンネルを通って鎌ヶ岳・御在所岳の登り口に不要な荷物を置いてまずは御在所岳に向けて出発です。
ただし、ここでベテランのO.Hさんが体力を温存するために御在所岳には登らないとの選択をされたので、荷物の番をしてもらえることとなりました。
1人欠けて寂しい気持ちを抑えつつ、御在所岳を目指します。
五座目、御在所岳
5:00 五座目、御在所岳に到着です。
「御在所岳の外のトイレのところに自動販売機があったはず」と、T.Kさん(甘い物がボクを育ててくれました)の記憶を頼りにその自動販売機を目指します。
みんなを元気にさせたのは、三ツ矢サイダーでした
この3日間で皆が一番テンションが上がった瞬間です!
前日からずっと炭酸を求めていたメンバーたちは、迷わず三ツ矢サイダーを購入。
その他、各々コーヒーやらオレンジジュースやら飲みたいものを購入して街の味を楽しみました。
自動販売機のジュースで大人たちが朝の5時からこんなに喜ぶことが出来るのも、縦走の魅力のひとつなのではないでしょうか。
わたくしI.Sはこの時、電波が絶対入るであろう御在所岳からとある人(K.Dさん)に現在の状況の連絡を入れます。
街の味を楽しんだら、O.Hさんが待っている武平峠に向けて下山します。
武平峠に下山して、O.Hさんと合流したら荷物を詰めて鎌ヶ岳に向けて歩きます。
六座目、鎌ヶ岳
8:00 六座目、鎌ヶ岳に到着です。
鎌ヶ岳山頂で多めに休憩を入れたら残すは一座。
入道ヶ岳へ向けてラストスパートです。
だがしかし、ここからI.Sの歩みが止まってどんどんと皆から遅れをとってしまいます。
この日の核心、水沢峠のザレ場に到着です。
10:40 水沢岳(宮越山)に到着です。
ここはセブンマウンテンではないので、集合写真はありません。
ここまで来たらあとは入道ヶ岳に向けて歩くだけです。
13時すぎ 入道ヶ岳の奥宮に到着です。
奥宮から山頂へ向かう途中、リーダーのS.Yさんがボソッと
「山頂へのビクトリーロードだ」
なんて言うもんだから、I.Sはここで感極まって目から涙が溢れ出しそうになるのを空を眺めるふりをしてこらえます。
しかし、山頂に近づくと何やら見たことのある人物が見えるではありませんか!
嬉しいサプライズ
この日の朝5時という迷惑な時間にI.Sがこっそりと状況報告を入れていた相手、K.Dさんが2時間遅れで到着した私たちをずっと山頂で待っててくれました!
しかも、なにか広げてる!!
わたくしI.SはK.Dさんの姿が見えた瞬間、我慢していた涙が目から溢れてしまいました。
それをごまかすために、K.Dさんに向けてS.Yさんと一緒に最後のダッシュをして山頂に到着です。
K.Dさんと無事に合流することが出来たら、皆で最後の集合写真を撮ります。
13:35 入道ヶ岳に到着です。
写真撮影が終わったら、歩ききった満足感と疲労感を楽しみながらしばらく山頂でまったりとします。
山頂で余韻に浸ったら、K.Dさん親子と一緒に二本松ルートで下山しました。
最後に
鈴鹿縦走を一緒に歩いたメンバーの皆さん、本当にお疲れ様&ありがとうございました。
途中ハプニングがあったものの、皆さんの何とかなるさ精神で無事に縦走を成功させることが出来たのかなと思います。
わたくしI.Sは入会してまだ2年目ですが、今回の縦走は本当に良い経験が出来て心に残る山行となりました。
皆さん、また山に一緒に行きましょう。
山頂で嬉しいサプライズをして頂いたK.Dさん&息子くん、本当にありがとうございました!
縦走は大変だっただけに、K.Dさんのサプライズはとっても嬉しかったです。
今回の縦走のリーダーを務めて頂いたS.Yさん、本当にお疲れ様&ありがとうございました。
S.Yさんが計画し、実行をしたことで今回の縦走は大成功となりました。
今度は、鈴鹿全山縦走(4泊5日)を目指して頑張りましょう。
ここまでながーい山行記録を読んでくれた皆さん、ありがとうございました。
皆さんのこれからの山行のための参考になればと思います。